研究課題
(1)COVID-19パンデミックの影響のため、認知機能検査パートについては、一旦中断した上で再開し、感染予防対策に留意しながら継続している。そのため、2018年度に実施したフレイルに関連する身体機能評価の解析を先行させながら、認知機能に関連するサブコホートは、検査を継続して実施している。(2)認知機能評価を実施するサブコホートは、2022年3月末までに計751名(男性306名、女性445名、平均年齢73歳)の評価を完了した。そのうち認知機能の一次判定が終了した716名の解析では、MMSEの中央値は28、MoCA-Jの中央値は26であり、認知機能低下が疑われる者は299名(男性149、女性150)であった。またMoCA-Jの点数が低いほど視覚障害の割合が多く(年齢調整、傾向性p 0.00139)、睡眠が不規則であると答えた割合が多かった(年齢調整、傾向性p for trend0.00717)。一方MRIにおいてはMoCA-Jの点数が低いほど脳室周囲白質病変の有所見率が高い傾向(年齢調整、傾向性p)がみられた。(3)身体機能評価を実施するサブコホートは、2018年4月~2021年8月までの調査参加者2,537名のうち、体組成測定または握力測定を実施しなかった者を除外した2,053名(男性899名、女性1,154名)を対象に統計学的解析を行った。AWGS 2019のサルコペニア判定基準では解析対象者の22.3%がサルコペニアと判定され、体脂肪率を基に肥満を定め、肥満とサルコペニアの両方の判定を受けたサルコペニア性肥満の者は全体の6.7%であった。サルコペニア群は男女ともに、非サルコペニア群と比較して平均年齢が約2歳高く、サルコペニア性肥満ではさらに1歳程度平均年齢が上昇していた。特にサルコペニアと判定された者は判定を受けなかったものに比べて身体活動量が低下していた。
2: おおむね順調に進展している
COVID-19の影響により、認知症予防調査のスケジュールに変更を余儀なくされたが、2021年度末までに751名の参加同意を得て調査を行った。
2022年度の調査によって、800名の同意を得る予定であり、時間断面解析としては一定の検出力を確保したうえで、データ解析を行う計画である。
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Maturitas
巻: 155 ページ: 54-62
10.1016/j.maturitas.2021.10.004.
J Epidemiol.
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10.2188/jea.JE20200089.