研究課題
(1)認知機能評価を実施するサブコホートは、COVID-19パンデミックの影響を受けて同意取得者への調査を2023年9月末まで継続し最終的に計855名(男性359名、女性496名、平均年齢73歳)の評価を完了した。認知機能検査の結果、MoCA-Jが25点以下の者の割合は男性63.2%、女性41.1%であった。神経心理検査の結果と専門医による診察を組み合わせた総合的評価によって認知機能低下疑いありとされた者の割合は、男性44.9%、女性35.7%であった。老研式活動能力指標で評価した高次生活機能評価は、手段的自立(IADL)の低下が男性10.9%、女性1.4%、知的能動性の低下が男性19.2%、女性13.3%、社会的役割の低下が男性36.2%、女性26.0%であった。(2)身体機能評価を実施するサブコホートは、2018年4月~2021年8月までの調査参加者2537名のうち、体組成測定または握力測定を実施しなかった者を除外した2069名(男性902名、女性1167名)を対象に、サルコペニアおよびその構成要素(低筋量・低筋力・低身体パフォーマンス)と、睡眠時間(短時間睡眠・普通睡眠・長時間睡眠)との関連について検討した。AWGS 2019のサルコペニア判定基準に従って、低筋肉量(LMM)、低筋力(LMS)、および低身体機能(LPP)を分類し、睡眠時間(<6、6-8、>8時間)、睡眠の質(アテネ不眠尺度)で睡眠を評価した。ロジスティック回帰分析により、通常の睡眠者と比較して、長い睡眠者は筋肉減少症と正の関連があり特に、長い睡眠はLMS、LPPと強く関連した(オッズ比2.11、1.77、1.90)。一方、長い睡眠の群での睡眠の質の低さは、サルコペニア指標と関連しなかった。本結果は、Archives of Gerontology and Geriatricsに原著論文として掲載された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Arch Gerontol Geriatr.
巻: 109 ページ: 104948
10.1016/j.archger.2023.104948