運動イメージと協調運動の脳機構に基づくスキー技術の学習支援システム構築

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 18H04087
• 研究機関: 早稲田大学
• 研究代表者: 彼末 一之 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (50127213)
• 研究分担者: 内田 雄介 名城大学, 理工学部, 准教授 (00508252) ; 桜井 良太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00749856) ; 永見 智行 北里大学, 一般教育部, 講師 (10634371) ; 加藤 孝基 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師(任期付) (10750771) ; 村岡 哲郎 日本大学, 経済学部, 准教授 (30398929) ; 中田 大貴 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40571732) ; 中島 剛 杏林大学, 医学部, 学内講師 (60435691) ; 坂本 将基 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80454073) ; 水口 暢章 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問研究員 (80635425) ; 中川 剣人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (80735457) ; 大室 康平 八戸工業大学, 基礎教育研究センター, 講師 (50632056) ; 依田 珠江 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (40348818) ; 樋口 貴俊 福岡工業大学, 社会環境学部, 助教 (60726826) ; 小林 海 東京経済大学, 経済学部, 特任講師 (10586762)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: スキー / 運動イメージ / 協調運動 / 初心者 / エキスパート

研究実績の概要

本年度はスタートアップの時期として。今後必要な機器の購入、基本的な実験系のテストなどを行った。
先ず、ゲレンデにおいて自分が滑った映像を直後にチェックできる装置として、ビデオの遅延再生システムを購入し、1月にそのテストを実際にゲレンデで行った。実際には撮影されるスキーヤーをズームも含めて自動追尾する機能が必要であることが明らかになり、今後その改良を加えることとした。
また、スキーのターン（特に小回り）時に神経・筋がどのように働くかを明らかにするのがこの研究の1つの目標だが、そのモデル実験を室内でできるように、シミュレータを購入した。設置も完了し、次年度から実際に運動しているときにTMS,末梢刺激などを行ってエキスパートにおける、脳活動を明らかにしたい。
ゲレンデにおける測定の予備実験も行った。スキーヤーの足圧、筋電図、ビデオ解析システムを使って実際の滑走時の測定を行ったが、すべて予定通り記録できた。次年度は上級スキー選手での解析をスタートさせるよていである。以前より継続的に行っている、リアルタイムフィードバックシステムを実際にスキーヤーに適用したときの結果についての論文（技術資料）を発表した。
次年度からは新たに子どもの初心者に以下にスキーを教えるかを研究に1つのテーマとすることにした。スキーは最初の技術的進歩は他のスポーツに比べてはっきりしており（滑られなかったものが滑れるようにない）、子どもにスポーツの楽しさを教えるには最適である。このような観点から、次年度では初心者を教えるのが旨いスキー指導者の指導を是非分析したい。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実験に必要な機器は予定通り購入し、予備的なテストも順調であった。2年目からの実際の実験実施については問題なく進むものと期待される。

今後の研究の推進方策

1．スキーの回転技術のバイオメカニクス的、神経科学的解析については予備実験が順調に行うことができ、2019年度、夏、冬に本実験を行う。
2．スキーシミュレータを使った解析は2019年7月から開始。特にTMS,H波などの適用は初めての試みとして期待できる。
3．学習システムとしての遅延再生ビデオシステムの本格運用で、新潟の田代スキー場に設置予定である。
4．子どものスキー指導についての実験はふじてんスノーリゾートスキースクールの協力を得られる。ここで、上級指導者の指導を記録し、その特徴を解析する。

研究成果

• [雑誌論文] スキー滑走動作における拡張現実技術を用いた第三者視点からのリアルタイムフィードバックシステムの開発 (2018)
  • 著者名/発表者名: 中川 剣人、三浦 智、廣岡 和真、梅沢 侑実、神庭 弘行、藤本 浩志、藤江 正克、彼末 一之
  • 雑誌名: スキー研究 巻: 15 ページ: 77-82
  • 査読あり