研究実績の概要 |
今年度は多変量解析におけるホロノミック法の概要と成果について、次の論文で発表することができた。Akimichi Takemura (2021) Holonomic gradient method for multivariate distribution theory. In: Filipiak K., Markiewicz A., von Rosen D. (eds) Multivariate, Multilinear and Mixed Linear Models. Contributions to Statistics. Springer, Cham. 1-15. doi:10.1007/978-3-030-75494-5_1. この論文では、具体的な例を用いてホロノミック関数の定義や性質をわかりやすく示すとともに、研究代表者によるこれまでのホロノミック勾配法に関する成果を示した。この論文は、Filipiak等の編集による論文集の巻頭論文として収録されたものである。 さらに以下の論文がオンライン刊行済みである。Satoshi Kuriki, Akimichi Takemura, Johathan Taylor (2022) The volume-of-tube method for Gaussian random fields with inhomogeneous variance, https://doi.org/10.1016/j.jmva.2021.104819. この論文では、チューブ法において分散が不均一であるというこれまで扱われていなかった場合について結果を得ており、例題としてはホロノミック勾配法でも扱ったウィシャート行列の最大根の分布の裾確率を評価している。
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