研究課題
基盤研究(A)
本研究では計算代数統計の方法の性能向上と実用化を目指して研究をおこなった。特に焦点を当てた手法が、ホロノミック勾配法であり、統計学で必要とされる積分や領域確率の計算を有理式係数の偏微分方程式を用いておこなう方法である。本研究では、無線通信方式に現れる複素ウィシャート分布などについて、ホロノミック勾配法を用いた実用的な成果を得た。またチューブ法についても研究を進め、分散行列が一般の場合のウィシャート分布の裾確率についての結果を得た。
統計科学
ホロノミック勾配法は研究代表者が2010年頃に代数学者との共同研究の中から考案した新しい手法であり、統計学で必要とされる計算を高速かつ高精度でおこなうことのできる手法である。この方法は、統計学と代数学の双方で新たな研究テーマとなり、活発な研究が行われ、それ以前は困難と思われていたいくつかの数値計算が可能となった。このような数値計算は、統計学にとどまらず様々な分野の計算に用いることができものである。