研究課題
本研究では多くの研究者により加工技術の有用性と安全性を集積し,優れたアルゴリズムを探求するオープン型の評価コンテストを企画し,信頼できる匿名加工技術の開発を目指している.匿名加工に関する課題に対して,1. オープンデータベースの開発,2. 有用性指標の設計,3. 攻撃者の知識モデルと安全性指標の設計,4. 匿名加工アルゴリズムの開発,5. 位置情報の属性推定とテンソル分解による学習手法の研究,6. コンテストの評価環境の構築を研究目的としている.2021年度は,課題2(有用性指標), 課題3(攻撃者知識モデル), 課題4(匿名加工アルゴリズム),課題5 (欠損位置情報推定とテンソル分解による学習)を継続し,課題1 (オープンデータベース開発)として,新たに医療データベースに着手した.米国CDCで公開されているNHANESデータセットを元にして合成データを提供し,糖尿病になるリスクを正しく評価するコンテストを実施した.データ及びサンプルスクリプトをgithubから公開し,コンテスト実施体制を整備した. 2021年10月に,情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会主催のシンポジウムにおいて,匿名加工コンテスト PWS Cup 2021を開催した.国内外のIT企業や大学から多くのチームが参加した.新型コロナウィルスによる感染対策が継続されており,本コンテストは昨年に引き続きオンラインで実施した.
2: おおむね順調に進展している
研究計画に従って,匿名化コンテストを開催して,医療データの匿名化関する多くの知見を得たため,十分に順調な進捗をしていると評価する.匿名化に関するポリシーを収集する研究,セキュリティ対策とリスク削減効果に関する研究,購買履歴に関する識別リスクの評価に関する研究などの研究をまとめ,3件の国際会議にて発表している.
2022年度には,最終年度であり,これまでの課題を更に進めて,匿名加工技術の研究開発を遂行する.本研究プロジェクトを総括する公開シンポジウムの開催を検討している.2022年10月に開催予定の,コンピュータセキュリティシンポジウムにおいて,匿名加工コンテストPWS Cup 2022を開催する予定である.
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https://www.kikn.fms.meiji.ac.jp/Kakenhi-Cup2018/index.html