研究課題/領域番号 |
18H04105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70199115)
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研究分担者 |
夏秋 嶺 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (60748888)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ニューラルネットワーク / フェーザ四元数 / 合成開口レーダ / ディジタル高度地図 / 植生・土地利用推定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、偏波と位相の情報を整合的に扱うフェーザ四元数ニューラルネットワーク(Phasor Quaternion Neural Networks: PQNN)の理論を構築して、その有効性を偏波干渉合成開口レーダ(Polarimetric Interferometric Synthetic Aperture Radar: PoInlSAR)システムおよび移動体通信チャネル予測に適用してその性能向上を定量的に評価し、波動応用エレクトロニクスを中心に工学的に利用価値の高い体系化を行うことにある。これによって、近年その重要性が急増している知的な環境センシングや環境保全と災害軽減などの危急の課題の解決に貢献する。PQNNの利用は数自体が持つスパース性を導入することを意味し、このようなコヒーレントな電磁波センシング・イメージングのエレクトロニクスという汎用性が高い分野で工学利用する基礎を築く。 本年度は特に、偏波・干渉合成開口レーダ(PolInSAR)のPQNN適応処理による高精度地表状況分類の実現を目指して、その理論構築を進めるとともに、実際に合成開口レーダ(SAR)データにこれを適用して位相特異点(Singular point: SP)の補正を試み、見事に成功を収めた。干渉成分の位相情報のコヒーレンスを向上させることは、同時に偏波情報の雑音とひずみの減少をもたらすはずであると考えた。PQNNとして位相と偏波の両方を整合的に最適化するダイナミクスを構築し、SPの低減を行い、これに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記のように偏波・干渉合成開口レーダ(PolInSAR)のPQNN適応処理による高精度地表状況分類の実現を目指して、その理論構築を進めるとともに、実際に合成開口レーダ(SAR)データにこれを適用して位相特異点(Singular point: SP)の補正を試み、見事に成功を収めた。PQNNとして位相と偏波の両方を整合的に最適化するダイナミクスを構築し、SPの低減を行い、これに成功した。 基本的なアイデアは、位相と偏波を整合的にニューロ処理することにより、干渉成分の位相情報のコヒーレンスを向上させると同時に偏波情報の雑音とひずみの減少をもたらすはずである、という考えである。しかし、これまでにそのような考えに基づく提案はなく、それに基づくフェーザ四元数ニューラルネットワークの枠組みの構築もある程度時間がかかると考えていた。しかし、フェーザ四元数フィードフォワードニューラルネットワークを、これまで研究実施者らがノウハウを持つ複素ニューラルネットワークおよび四元数ニューラルネットワークの枠組みを融合する形で構築したところ、SPの問題に対して見事にこれを解決することを示すことができた。予想以上の進展であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、この位相歪の低減を中心とした干渉合成開口レーダ(InSAR)の適応信号処理をさらに進め、特にその物理的散乱原理と数理的ニューラルネットワーク処理との関係を最適化することによって、フェーザ四元数ニューラルネットワークの枠組みを強固にしてゆく。また、偏波合成開口レーダ(PolSAR)の処理の観点からこの枠組みを活用してゆく方向を開拓する。
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