研究課題/領域番号 |
18H04114
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10232282)
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研究分担者 |
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
岩井 儀雄 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70294163)
中村 泰 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任准教授(常勤) (70403334)
熊崎 博一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 室長 (70445336)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遠隔操作ロボット / 対話ロボット / 認知モデル / 障がい者支援 / 選択式対話 |
研究実績の概要 |
昨年度は,ロボット-ロボット対話,ロボット-人間対話,人間-人間対話の3つのシステムと,それに必要な自己表現機能および,感情・選好・認知モデル推定機能の2つの機能について開発に着手した.また,実証実験を通じて,障がい者等の対話支援に取り組んだ.平成31年度では,昨年度に引き続き以下の研究項目に取り組んだ. ロボットの機能に関わる研究開発として,自己表現機能の実現を中心に取り組んだ.特に,自然な視線制御,自然な頭部運動制御等,人間と自然に対話できる遠隔操作機能の研究開発に注力した. 自然な視線制御については,昨年度の成果をさらに発展させ,対話相手の認識と発話内容に基づきながら,人間同様の自然な視線制御を実現する研究開発に取り組んだ.自然な頭部運動制御については,昨年度の成果を発展させ,音声情報のみならず,発話内容や対話相手の動作等にも基づきながら,対話においてより自然で,人間らしい存在感を表現できる頭部運動制御を実現する研究開発に取り組んだ. 感情・選好・認知モデル推定機能については,昨年度に引き続き,画像認識や音声認識によって対話相手の感情を理解し,それに基づいてロボットの表情や動作を制御する機能を実現する研究開発に取り組んだ.また,選好認知モデル推定の研究は昨年度において,実際にロボットに実装し,その効果を確かめることができたが,本年度ではモデルを拡張するとともに,モデル基づきより自然な対話ができるように研究開発を進めた. ロボットシステムとしては,昨年度に開発したロボット-人間対話システムの完成度を高め,その性能を自閉症児の専門病院等における実証実験によって評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はロボットシステムの研究開発に加え,特に自閉症児の専門病院での実証実験に数多く取り組み研究成果をあげることができた.
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度となるが,これまでの研究成果を取りまとめながら,対話支援を行える遠隔操作ロボットとしての完成度を一層高め,実用的な応用も見据えた研究開発に取り組む.特に,新型コロナウィルスによる世界的危機の中,遠隔操作ロボットの必要性は非常に高まっている.自閉症児や高齢者を中心に,これまで連携してきた病院等の機関と共に,遠隔操作ロボットを用いてどのような対話サービスが実現できるか検討し,可能な限り実利用を試みる.
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