研究課題/領域番号 |
18H04115
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 康史 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60231643)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | コンピュータビジョン / パターン認識 / バイオメトリクス |
研究実績の概要 |
P1-1) 知情意体のパラメタとその取得シナリオの検討: 前年度に引き続いて、データ収集とその整理によるデータセット構築に取り組む。具体的には、知情意体の内、意図・注意等に関連する「意」について、エキストラ被験者に携帯電話への注意を向けた歩行や運動のための早足歩行等の指示を与えた場合の歩行映像データを収集し、各データに対する「意」のアノテーション及び歩容特徴抽出を行った。また、情動に関連する「情」について、標準的な性格アンケートであるビッグ・ファイヴに対する回答結果と歩行映像のペアを収集した。また、前年度収集した「体」に関する体組成データについても、継続して収集した。 P1-2) 二入力による個別要因に対する相対モデル: 前年度に引き続いて、個別要因に対する相対モデルの構築に取り組んだ。具体的には、前年度開発した、人の近くに基づく歩容の良さ、即ち知情意体の「知」に関する相対属性モデルについて、入力の特徴表現を改善した。前年度までは、時間情報を圧縮した歩容特徴である平均シルエット(歩容エネルギー画像)を用いていたのに対して、人体特徴点に対する軌跡集合といった、時系列情報をより直接的に表現する入力表現を導入することで、属性推定の精度を向上させた。一方で、入力から出力までを一貫した深層ネットワークで学習する枠組みについても検討した。P1-3) 一入力による個別要因に対する絶対モデル: 一入力のデータに対するアノテーションは、一対データに対するアノテーションより困難であることが多く、結果として学習データ数が限られることが問題となる。そこで、一般的な歩容属性(腕振り等)をターゲットにして事前学習したネットワークを活用して、少数の学習データを持つ1入力データに対する追加学習を行う枠組みを構築すると共に、上記の「体」「意」「情」のデータに対する予備実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた知情意体のデータ収集、及び、二入力による個別要因に対する相対モデルの拡張や、一入力による個別要因に対する絶対モデルの予備実験を実施したことから、概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
平均シルエットに基づく相対モデルや,人体特徴点付近から抽出したオプティカルフロー情報に基づく相対モデルを,従来の機械学習手法から,入力から出力までを一貫した深層ネットワークで学習する枠組みへ拡張することで、「知」属性の推定精度向上を目指す。更に、アノテータ毎のラベルの違いを当該属性の不確かさであると見なして、ラベル分布学習の枠組みによってその不確かさをモデリングすることで、更なる精度向上を目指す。
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