研究課題
がんという病気は細胞中のDNAに損傷(変異)が起きること、その変異が長年の間修復されずに積み重なることにより発症する。これまで個人のがん組織における変 異を全て同定するには膨大な費用がかかったが、現在では超ハイスループットDNAシーケンサーの発達により比較的安価に変異同定が可能になった。米国ではThe Cancer Genome Atlasなどのがんゲノムを網羅的に調べる大型プロジェクトが立ち上がり、数百・千人規模でのがん変異の情報が蓄積されている。これらの成果か ら、がん発症に関連する数百の遺伝子(ターゲット遺伝子)に絞り込みより深くシーケンスするターゲットシーケンス法により、遺伝子変異の同定効率は飛躍的に 上昇し、実臨床としてがんゲノム医療が実現しようとしている。そこで重要となるのが、がんゲノム情報のデータ統合化とデータ解析基盤の構築である。 これまで、大腸がん201症例、胃がん207症例、肺がん167症例、乳がん53症例を含め700症例以上の固形がんにおける遺伝子検査結果のデータベース化を実施した。 また、がん化の原因の多くは、関連するシグナル伝達系の何処かに遺伝子変異が起きることで細胞増殖のサイクルが狂うことにあるため、シグナル伝達系を中心 にがん関連パスウェイの情報のデータベース化を進めた。さらに医療情報とゲノム変異の情報を合わせてあらゆる条件で半自動的に様々な統計解析やグラフ化を実施できるシステムの開発を進めてきた。人工知能への応用として、病理画像の認識技術の開発した。これらの大規模なデータと解析シス テムを統合化したプラットフォームを構築してきた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Gastroenterology
巻: - ページ: -
10.1007/s00535-021-01789-w
Computational and Structural Biotechnology Journal
巻: 18 ページ: 3301~3308
10.1016/j.csbj.2020.10.021