研究課題/領域番号 |
18H04134
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 嘉夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10304396)
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研究分担者 |
板井 啓明 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60554467)
足立 光司 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90630814)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | XAFS / TEM / 同位体分別 / エアロゾル / 放射線セシウム / Fe / 酸化チタン微粒子 |
研究成果の概要 |
本研究では、揮発性が異なるFe、Zn、Cdについて、気化を経て生成したエアロゾル中の同位体比と化学種から、気化による同位体分別を系統的に解明すると共に、化学種の情報も加味してエアロゾル中の各元素の起源や大気中での化学反応過程を解明した。Feは難揮発性で気化率が低いため大きな同位体分別を示し、それを人為的起源Feの指標として確立した。それを利用した結果、海洋エアロゾル中の水溶性Feの20-50%程度が人為起源であることが示された。火山で発生したエアロゾル中のFeやZnの同位体比も、気化による軽い同位体比が得られ、産業革命以前では、同位体比から火山由来成分の有無の推定が可能であることが分かった。
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自由記述の分野 |
地球化学、環境化学、大気化学、エアロゾル化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同位体比を用いたエアロゾル中の人為起源鉄の割合推定から、人為起源鉄が海洋の植物プランクトンの活動をより活発化させ、その結果、大気中CO2濃度の増加が実際の値より少なくとも数%は抑制されていることが示され、これは確度の高い地球温暖化予測において重要である。Zn同位体比と化学種の解析から、大気中のZnがガソリン起源、石炭起源、天然起源の3成分の混合で説明可能であることが分かり、その結果、石炭起源成分のZnの割合が2003年以降減少傾向にあることが分かった。また産業革命以前であれば、FeとZnの同位体比から火山起源成分の割合が推定可能であることが分かった。
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