研究課題/領域番号 |
18H04142
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム), 主任技術研究員 (90359175)
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研究分担者 |
狩野 彰宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60231263)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | レーザー分光 / 炭酸塩 / 安定同位体 |
研究実績の概要 |
地球環境の動態を理解する上で最も重要なパラメータである「温度」情報を定量的に得るために、炭酸塩の安定同位体比や微量元素比など多くの手法が提案されてきた。本課題では最先端のレーザー分光技術によるCO2のレア・アイソトープの高感度検出法を駆使することで、これまでとは一線を画した炭酸塩の生成温度決定法を提案する。 具体的には、クランプト・アイソトープ(凝集・同位体:重い同位体が2つ以上結合している分子:CO2の場合13C、17O、18Oが2つ以上結合)の中で温度依存性が高い13C18O16Oと温度依存性が極めて低い13C17O16Oの吸収スペクトルを高分解能で同時検出して、炭酸塩に含まれる両者の同位体比の差を比較するという新しいアプローチを提案する。本課題を起爆剤として、質量分析による従来の計測技術および温度指標の考え方からのブレークスルーを目指す。 本年度は、2つのクランプト・アイソトープ13C18O16Oと13C17O16Oが検出可能となり、精密ガス導入ラインを備えた分光システムを用いて、Sakai et al.(2017)で確立した実験方法により最適計測条件を導出した。同時に、水蒸気(D/H)およびアンモニア(15N/14N)の安定同位体検出の予備実験を実施して、二酸化炭素のみならず他の分子へのレーザー分光計測の基礎を構築できた。特に、各分子の蒸気圧曲線をもとに正確な電子冷却による各分子の分離の方法について理解が進んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2つのクランプト・アイソトープ13C18O16Oと13C17O16Oの同時検出、水蒸気のD/Hおよびアンモニア(15N/14N)の安定同位体検出の予備実験を実施して、当初の予定通り二酸化炭素のみならず他の分子へのレーザー分光法の土台を作ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最適計測条件を確定したのち、標準試料と実試料の計測を進める。水・アンモニア安定同位体計測については「はやぶさ2」プロジェクトにおける微量ガス分析に提供できる仕様に仕上げる。
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