研究課題
宮城県仙台湾沿岸から福島県相双地域の平野部の復旧事業が行われている区域で,気象,地下水動態・水質,植生,植物相,遺伝的多様性,都市計画に関して,観測,調査,解析を継続した。気象に関しては福島県浜通り5地点で大型産業用ドローンを用いた下層大気観測を7-8月に10日間実施し,地上から高度1000mまでの沿岸気象データを収集した。地下水動態に関しては地下水位連続観測を継続して動態把握をすると共に電気探査を新たに12地点で実施し,地下水の塩分濃度を推定した。これらを基に地下水塩水化シミュレーション解析を実施した。水質に関しては既存井戸および観測井のイオン濃度,微量成分,水素,酸素,ストロンチウム安定同位体,CFCsやSF6等の分析データを基に地下水の涵養域および滞留時間を推定し,水質形成要因を考察した。植生に関しては粘り強い防潮堤と海岸防災林基盤盛土の二つの防災施工に注目し,保全された近隣の砂地・湿地との植生変遷を比較し,立地と人為のあり方に照らして解析・評価した。植物相に関しては防潮堤セットバックを行った海岸の植物多様性を評価した。遺伝的多様性に関しては津波後に再生した絶滅危惧植物ミズアオイを対象にマイクロサテライトマーカーの開発を進め,津波跡地に再生した集団とそれ以外の集団間で遺伝的多様性や系統関係の評価に取り組んだ。都市計画に関しては人的資源に着目し,自治体職員,まちづくり会社,非営利民間復興支援団体,地域おこし協力隊の実態と課題等に関する調査・分析を実施した。これまでの成果を統合し,海岸防災施設復旧事業における生物多様性保全に関する事業や取り組みの経過をまとめ,これらを類型化し,これまでの研究や評価について議論した。これらの研究成果の一部は論文や書籍により公表し,また9つの研究グループや環境NPOとともに,地域住民や自治体職員を交えたシンポジウムを開催して社会に還元した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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