研究課題/領域番号 |
18H04155
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
本田 智則 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00425745)
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研究分担者 |
田原 聖隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (10344160)
小澤 暁人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (20783640)
稲葉 敦 工学院大学, 先進工学部, 教授 (90356494)
西野 成昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90401299)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | AI / 深層学習 / HEMS / 電力 / LCA / 実験経済学 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究は、家庭部門におけるエネルギー消費削減に向けて、政府・自治体、企業、消費者がそれぞれの経済的・非経済的インセンティブを最大化することで、結果的に社会全体の省エネ及び経済成長を両立する共創的社会システムの形成を目指し、人々の家庭内ライフスタイル(エネルギー消費を伴う家庭内の行動選択・意思決定)の分類と体系化及び、そこから得られた知見に基づいた、多様なライフスタイルのそれぞれについての省エネ型ライフスタイルへの変容を促すための手法を提案することを目的とした研究である。 サブテーマに分けて研究を実施した。 サブテーマ1では研究所年度であった昨年度得られた4万世帯のデータを対象とした深層学習アルゴリズムの開発を中心として行った。その結果、従来の一般的機械学習では困難であった、年間の1時間毎生じ電力データのみから、居住地域、生活者の世帯人数等を80%以上の精度で推定可能なAI開発が行えた。サブテーマ2では、昨年度に引き続き実験経済学を基礎とした生活者のライフスタイル選定における意思決定メカニズムの分析を実施した。サブテーマ3では生活者のエネルギーを推定する上で欠かすことができない、インベントリデータの開発を中心として実施した。特に、太陽光発電システム、蓄電池システムに関するLCAを行い、IDEAv3との連携を実現した。 これら途中成果については、7月に「スマートメーター・HEMSデータを用いたライフスタイルの解明とビジネス展開の可能性」と題した講演会を開催し、企業との連携に向けた取り組みを行った。その結果、10社以上との連携を行い、4社についてはデータ提供も含めた連携に至った。今後は、昨年度提供を受けた4万世帯に加えて新たにより詳細な10万世帯のデータも加えて分析を行うことで、深層学習アルゴリズムの高度化に向けて取り組んでいく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体については概ね当初の計画通りの研究進捗状況となっている。 昨年度、時間を要したデータ取得については、7月に開催した講演会以降多くとの企業との連携が実現したことで加速することができた。また、深層学習アルゴリズムについては、当初予定していなかった敵対的生成学習も用いたライフスタイル推定に向けた取り組みを開始した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画についても概ね研究計画書の内容に沿ったもとして進める予定である。一方で、取得データ量を当初予定したよりも多く収集することができる見通しが付いたこと、及び深層学習アルゴリズムに関する外部研究の進捗から、敵対的生成学習やVAT (Virtual Adversarial Training)など、本研究の目的をより高度に達成することが可能となる亜リゴリズムなどについては積極的に調査研究を実施し、研究成果として取り組んでいく。
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