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2019 年度 実績報告書

アミノ酸を運ぶナノメディシンの設計

研究課題

研究課題/領域番号 18H04160
研究機関筑波大学

研究代表者

長崎 幸夫  筑波大学, 数理物質系, 教授 (90198309)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードパーキンソン病 / L-ドーパ / ブロック共重合体 / ナノドーパ / 自己組織化薬
研究実績の概要

パーキンソン病(PD)は、脳内のドーパミン細胞数が減少し、神経伝達物質であるドーパミンが十分に生成されず、筋固縮や振戦といった症状が現れ、年々患者数が増加の一途をたどっている。ドーパミンは血液脳関門(BBB)を通らないため、その前駆体であるL-ドーパがPD治療薬(レボドパ)として用いられている。しかしながらL-ドーパは、半減期が著しく短く、頻回投与が必要となる。治療後期では、原疾患の進行に伴いドーパミン神経細胞のドーパミン保持能がさらに低下するため、その治療域はさらに狭くなり、投与量の調整が困難となり、一日の中で症状の改善と悪化を繰り返すウェアリング・オフ現象や過剰投与によるジスキネジアがみられるようになる。このような問題点の解決を目指し、L-ドーパのプロドラッグ化やナノ粒子を利用しL-ドーパの血中滞留性向上を目指した報告例が試みられているものの、L-ドーパの高い水溶性に加えて、二つの水酸基の高い反応性に伴う扱いにくさにより、十分な効果が得られていない。L-ドーパは大気中で容易に酸化重合を引き起こし、メラニン様の粘性黒色物質を生成することからDDSとしても容易ではない。本研究ではこのようなL-ドーパの欠点を克服し、安全で効果的なパーキンソン病薬の創出を目指し、新しい分子自己組織化に基づく創薬に関する検討を行った。すなわち、新たに設計した親-疎水性ブロック共重合体ポリエチレングリコール-b-ポリ(L-ドーパ(ジアセチル)) (PEG-b-PDOPA(diacetyl)の自己組織化によるナノ組織体がL-ドーパのバイオアベイラビリティーを向上するとともに過剰濃度を抑えるため、ディスキニジアを抑制し、高い治療効果を示すことを確認した。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] Prince of Songkla University/Thailand Insti. of Sci. Tech. Res.(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      Prince of Songkla University/Thailand Insti. of Sci. Tech. Res.
  • [国際共同研究] Vietnam Natil.l Univ. Ho Chi Minh City(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      Vietnam Natil.l Univ. Ho Chi Minh City
  • [雑誌論文] Poly(ornithine)-based self-assembling drug for recovery of hyperammonemia and damage in acute liver injury2019

    • 著者名/発表者名
      Long Binh Vong, Yota Ibayashi Yalosrav Lee, Dai-Nghiep Ngo, Yuji Nishikawa, Yukio Nagasaki
    • 雑誌名

      Journal of Controlled Release, accepted

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] パーキンソン病治療を目指したL-DOPA分子組織化薬(NanoDOPA)の開発 佐藤憂菜1、Long Binh Vong1,2、Pennapa Chonpathompikunlert3, Supita Tanasawet4, Pilaiwanwadee Hutamekalin5, 長崎幸夫2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤憂菜、Long Binh Vong、Pennapa Chonpathompikunlert, Supita Tanasawet, Pilaiwanwadee Hutamekalin, 長崎幸夫
    • 学会等名
      第13回日本アミノ酸学会学術大会
  • [学会発表] ポリオルニチン組織体による高アンモニア血症治療および肝障害軽減2019

    • 著者名/発表者名
      リー ヤロスラブ, Long Binh Vong, 井林洋太, Dai-NghiepNgo, 西川祐司, 長崎幸夫
    • 学会等名
      第13回日本アミノ酸学会学術大会
  • [学会発表] 腫瘍マクロファージを介するアルギニン分子組織化抗がん薬(NanoDOPA)の開発2019

    • 著者名/発表者名
      長崎幸夫、工藤心平
    • 学会等名
      第13回日本アミノ酸学会学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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