研究課題/領域番号 |
18H04166
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 雅之 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (30372626)
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研究分担者 |
橋本 洋章 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50770674)
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
鬼塚 真 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (60726165)
猪原 秀典 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00273657)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 嚥下機能 / ブレインマシンインターフェース |
研究実績の概要 |
1)嚥下時頭蓋内脳波の計測・解析:硬膜下電極や深部電極を留置して頭蓋内脳波モニタリングを行っている患者3名を対象として、嚥下時の頭蓋内脳波データを取得した。随意嚥下の脳機能解析を時間周波数解析に加えて、位相振幅同期解析を導入した。 2) 嚥下運動の脳信号解読:頭蓋内脳波から嚥下運動の相を解読した。Deep learningの一手法であるAlexNetを用いて転移学習を行い、水嚥下時の開口運動、水を含んだ状態、随意嚥下の各相を、頭蓋内脳波だけから90%以上の精度で推定することができた。 3) 嚥下動態シミュレーションシステムを用いた嚥下BMIの開発;平成31年度より、分担研究者の道脇らが開発した嚥下動態シミュレーションシステムSwallowVision®を駆動して、脳信号で嚥下運動を制御する嚥下BMIのシミュレーションを行い、嚥下BMIをシミュレーション上で開発する。平成30年度は筋肉モデルを導入したSwallowVision®の開発を開始した。 6) 経皮的電気刺激装置を駆動する嚥下BMI装置の試作;平成32年度に、開発したリアルタイム嚥下解読システムを咽頭電気刺激装置と接続して簡易的な嚥下BMI装置を試作するため、平成30年度は咽頭電気刺激装置を購入して開発の方向性を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
嚥下時頭蓋内脳波の計測・解析に関しては当初計画にはなかった位相振幅同期解析まで進めており、計画以上に進捗している。 マーモセットを用いた嚥下時の大脳・脳幹活動同時測定は、マーモセットを扱うおおもととなるプロジェクトが中止となったため、実施できなくなった。 嚥下運動の脳信号解読に関しては、自研究室内でdeep learning開発環境を構築し、AlexNetを用いた嚥下時の解読を高精度で達成でき、計画以上に進捗している。 重症ALS患者を対象とした嚥下想起時の頭蓋内脳波計測・解析は該当患者が1名のみであったため、やや計画を下回る実績となった。 経皮的電気刺激装置を駆動する嚥下BMI装置の試作は、咽頭電気刺激装置を購入して開発の方向性を検討しており、予定通りの進捗である。 計画以上に進捗している項目、計画を下回る項目、計画通りの項目があるが、全体としてはおおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
マーモセットの実験に関してはおおもととなるプロジェクトが中止となったため、今後は他の研究項目に注力する。他の研究項目はこれまでどおり計画に基づいて研究を進捗する。
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