研究課題
2次元大規模連続量クラスター状態生成のための要素技術開発として、広帯域スクイーズド光4本の同時生成法確立、スクイーズド光の相対位相ロック法の開発、スクイーズド光の相対位相ロックのデジタル制御系構築を行った。広帯域スクイーズド光4本の同時生成法確立としては、100MHzスクイーズ帯域の光パラメトリック発振器を4台作製した。これらをひとつのポンプ光で同時に駆動し、それぞれ6dB以上のスクイーズド光の観測に成功した。スクイーズド光の相対位相ロック法の開発として、新規ロック法を開発した。従来のスクイーズド光相対位相ロック法は、光パラメトリック発振器それぞれに導入しているプローブ光に変調を掛け、そのビート信号からロックのためのエラー信号を得るため、高い信号/雑音比を得るのが困難であった。そのため、ロックの安定性がそれほど高くなかった。しかし、スクイーズド光4本を複雑な干渉計において、その相対位相を安定してロックするためには、従来の方法では困難であることが予想された。そのため、新規スクイーズド光相対位相ロック法として、プローブ光に変調を掛けるのではなく、周波数をシフトすることによりヘテロダイン信号として読み出す方法を開発した。これにより劇的に信号/雑音比が改善し、安定してスクイーズド光の相対位相をロックできるようになった。スクイーズド光の相対位相ロックのデジタル制御系構築としては、新たにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を導入し構築を行った。アダプティブヘテロダイン測定のための補助状態生成技術開発として、超伝導光子数識別器作製のためのスパッタリング装置調達とその立ち上げ、共振器QED系の立ち上げを行った。
2: おおむね順調に進展している
ほぼ計画通りに、広帯域スクイーズド光4本の同時生成法確立、スクイーズド光の相対位相ロック法の開発、およびスクイーズド光の相対位相ロックのデジタル制御系構築を行うことができたから。また、超伝導光子数識別器作製のためのスパッタリング装置調達とその立ち上げ、および共振器QED系の立ち上げもほぼ計画通りにできたから。
平成31年4月~令和2年2月前年度に引き続き2次元大規模連続量クラスター状態生成のための要素技術開発を行う。1.広帯域高レベルスクイーズド光4本の同時生成法確立、2.高レベルスクイーズド光の相対位相ロック法の開発、3.高レベルスクイーズド光の相対位相ロックのデジタル制御系構築前年度に引き続きアダプティブヘテロダイン測定のための補助状態生成技術開発を行う。1.超伝導光子数識別器作製のためのスパッタリング装置調整、2.共振器QED系調整令和2年3月 令和元年度のまとめを行う。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 21件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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http://www.alice.t.u-tokyo.ac.jp/5thesis.html