研究課題
1次元大規模クラスター状態生成を生成し、これを用いた量子計算実験の準備を行った。ホモダイン測定のローカルオシレーター光位相を高速で切り替える機構を考案した。これはクロック周波数25MHzで実験を行える設計にした。これが成功すれば、補助状態が整えば原理的には任意の操作が可能になり、汎用大型光量子コンピュータ実現に大きく近づく。また、クロック周波数は若干遅いものの、100回連続(100ステップ)でエンタングルメントスワッピング(エンタングルメントの量子テレポーテーション)を行い、各ステップで古典限界を超えて量子テレポーテーションに成功していることを確認した。これはリソースであるスクイーズド光が高レベルであることの証拠であり、位相ロックが適切に行われていることを示している。超伝導光子検出器を用いた光子数識別実験に成功した。また、この超伝導光子検出器を用いてシュレディンガーの猫状態の生成に成功した。ユニバーサルな量子計算実現のためにはいくつかの補助状態が必要となるが、それらは主にエンタングルメントと光子数識別器により生成することができる。今回の超伝導光子検出器による光子識別とそれを用いたシュレディンガーの猫状態生成の成功は、補助状態生成への重要な一歩になっている。ここで、エンタングルメントはスクイーズド光を用いて生成可能であり、我々は高レベルスクイーズド光生成の技術を持っていることから、今回の成功は我々の強みをさらに補強するものとなっている。
1: 当初の計画以上に進展している
エンタングルメントスワッピングを100ステップも行えたことは当初の計画以上であるから。
(令和3年4月~令和4年2月)令和元年度に生成に成功した2次元大規模連続量クラスター状態の高性能化および利用のための研究開発を行う。1.広帯域高レベルスクイーズド光の更なる高レベル化、2.光ファイバー光学系による実験系の再構築、3.ホモダイン測定におけるローカルオシレーター光位相の高速切り替え方式の開発前年度に引き続きアダプティブヘテロダイン測定のための補助状態生成技術開発を行うのと同時に、その利用技術の開発を行う。1.超伝導光子数識別器作製および作製した光子数識別器を用いて補助状態生成、2.共振器QED系を用いた補助状態生成(令和4年3月)令和3年度のまとめを行う。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 10件、 招待講演 7件)
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