研究課題
SuperKEKB/Belle II実験では、コロナ禍の影響を受けながらも実験データの収集を継続し、2022年夏までに約430fb-1のデータ蓄積を達成した。SuperKEKB加速器のルミノシティは世界最高となる4.7×1034cm-2s-1に到達している。物理研究では、2021年夏までに蓄積された初期データセットを用いて、B→D(*) τν崩壊のBelle II実験からの最初の結果を発表した。多変量解析などの工夫により、少ないデータ量ながらも先行実験と遜色のない精度を達成している。ミューオンg-2に対する真空編極効果の寄与を決める電子-陽電子衝突断面積の精密測定では、始状態輻射を伴う e+e- →π+π-π0過程のプレリミナリーな結果を得た。これらの結果は、Belle II初期データによるハイライト結果として注目されている。また、タウレプトン崩壊に関しては、Belle IIの先行実験であるBelle実験のフルデータを用いて、タウ電子双極子能率の探索結果を発表した。実験技術面では、申請者たちの独自のアイデアによる開発と建設を担った粒子識別装置(TOPカウンターとエアロジェルRICH検出器)の運転やキャリブレーションを継続的に進めた。2022年夏以降の運転停止期間中には、TOPカウンター用の光検出器の一部を長寿命化の改良MCP-PMTに交換し、測定器全体としてビームバックグラウンド耐性の強化を行った。並行して、将来のアップグレードに向けて、半導体光検出器(SiPM)の信号読み出し集積回路の性能評価などを進めた。一方、J-PARC E34実験に関連する研究では、前年度に引き続いて、超低速ミューオン源とミューオン線形加速器の開発を進めた。ミューオニウムのレーザー共鳴乖離で得られた冷却ミューオンの信号の確認した。今後、ミューオン源と初段加速器を接続したビームテスト実験を行う。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 10件、 招待講演 10件) 備考 (5件)
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