研究課題/領域番号 |
18H05235
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
四日市 悟 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (20360670)
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研究分担者 |
成木 恵 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00415259)
森野 雄平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50715240)
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研究期間 (年度) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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キーワード | 原子核物理 / 電子検出器 / カイラル対称性 / GEM / 飛跡検出器 |
研究実績の概要 |
2019年度にJ-PARC ハドロン実験施設 高運動量ビームラインに建設した電子陽電子対測定用スペクトロメータについて、2020年度の6月および2月には、2019年度にスタート予定だった、ビームを利用してのスペクトロメータ試運転をついに遂行した。6月から2月の間には、理研・京大グループによりハドロンブラインド電子検出器(HBD)を、また東大・広島大グループにより、GEM 飛跡検出器(GTR)を、それぞれ2モジュールずつ増備した。 2月のビームタイムにおける加速器故障のため、試運転ビームタイムの1/4は2021年度に持ち越しとなったが、21年6月までに実施の予定である。そのため、予定した試運転内容の全ては実施できていないが、最大ビーム強度である 1x10**10 protons/spill(2秒)による試運転の結果、最も心配された最大強度運転時における検出器中のGEMの故障は心配ないことがわかった。HBDおよびLGの電子同定性能も問題ない。 また、ビームライン/実験エリアのバックグラウンド状況も、検出器設計性能範囲内になんとか抑えられていることがわかった。一方、6月時点ではビームの時間構造および取りだしの時間安定性に問題があったが、2月時点までの施設側(それぞれビームライングループおよび加速器SXグループ)の努力により、かなりの改善がみられ、物理データ取得にむけての不安点が解消しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試運転は施設の都合で申請時点の計画より1年ほど遅れで終了の予定である。現在までに取得した試運転データにもとづき、2022年度の物理データ取得へむけて検出器モジュールやソフトウェアの改良や整備も順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年6月には最後のスペクトロメータ試運転をおこない、校正データとともに、中間子収量評価のためのデータを蓄積する。11月をめどに、トラッキング性能評価と電子同定性能評価をおこなう。2022年1月のJ-PARC PACで2022年度における物理データ蓄積ビームタイムを申請し、試運転性能での技術評価を受ける。 2022年度には物理データ取得をおこなう。
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