研究課題
Nanofluidic流路における粒子の狭小検査部通過によるイオン電流信号変化に関し,機械学習と大偏差原理を基に,供試実験データを用いた4種類のコロナウイルス(HCoV-229E, SARS-CoV, MERS-CoV, SARS-CoV-2)識別を試みた.著名な機械学習ライブラリを利用した場合と比較して,1/8の特徴量数で正答率を1.4倍程度向上させた.ナノ粒子流の可視化観察と電流検知の同時実行を可能とした実験技術優位性を最大限活用可能な簡便かつ汎用的で,統計力学的背景の明確な新手法開発に成功したと言える.一辺約3 μmの立方体状の空間を持つオリフィスに直径2 μmのマイクロ粒子を光捕捉し,狭窄部における一粒子(直径500 nm)の電気的検出が可能となった.紫外線露光装置では,最小3 μmの寸法が精度の限界であったため,直径1 μmを下回る粒子の電気的検出は困難であった.本実験系は,Micro-to-nano Bimodal Sensing流路として発案され,光捕捉する粒子の直径を変えることのみにより,電流検出用ナノギャップ間隔を精密制御可能である.高価な電子線描画装置や流路形状変更によるプロセス毎の試行錯誤を必要とせず,コスト的にも著しく優れている.光圧による粒子捕捉を利用し,熱泳動の起源となるすべり流を可視化する実験手法を新たに構築した.まず,流路壁面に固定したマイクロ粒子の周りに集光レーザーを同心円状に高速スキャニングし,トレーサーを光捕捉する.その後,加熱用レーザーをマイクロ粒子近傍に照射し,流体の温度勾配を生成させると,マイクロ粒子周りにすべり流が生じ,トレーサーが熱源側へ移動する.本手法により,ターゲット周りで熱的に誘起される特殊流れの詳細を調べることが可能となり,正負熱泳動の起源に関する本質的解明並びにLI-MSTにおけるナノ粒子選択機能の向上が期待される.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
表彰(学会賞)山崎嘉己,日本機械学会奨励賞(研究) (2023),梅世哲,優秀研究賞,第17回ICTイノベーション (2023),梅世哲,日本機械学会若手優秀講演フェロー賞,日本機械学会第13回マイクロ・ナノ工学シンポジウム (2022),辻徹郎,日本流体力学会竜門賞 (2022).
すべて 2023 2022 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 4件、 招待講演 6件) 備考 (2件)
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巻: - ページ: -
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