研究課題/領域番号 |
18H05280
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分I
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研究機関 | 千葉大学 (2022) 東京大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
清野 宏 千葉大学, 未来医療教育研究機構, 卓越教授 (10271032)
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研究分担者 |
倉島 洋介 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30729372)
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研究期間 (年度) |
2018-06-11 – 2023-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 臓器連関 / 上皮細胞 / 腸内細菌 / 慢性炎症 / 粘膜免疫 / パネート細胞 / 線維芽細胞 |
研究成果の概要 |
難治性慢性疾患である炎症性腸疾患および合併症の病態形成機構の全容は不明であり、完全に治癒させる治療法もない。本研究では腸管粘膜恒常性維持機構の解明と疾患制御法の新たな確立を目指し、「粘膜階層的支持連関システム」の実態解明を進めた。「膵・腸臓器連関」・「腸管支持細胞連関」といった組織内外の臓器・細胞連関についての解析から、膵臓が腸内細菌感染から腸を守る新たな生体防御機構の発見、抗菌ペプチドの産生を司る新たな腸管「パネート細胞」の亜群と分化機構の発見、炎症性腸疾患の新規治療標的細胞集団の同定と制御法の確立に至った。以上の成果は、疾患予防ならびに治療法の開発に繋がる応用的基盤となることが期待される。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、炎症性腸疾患の発症や重症化につながる組織恒常性の破綻について、粘膜免疫システムに留まることなく、それを取り巻く「腸管粘膜外支持組織」との相互作用による「階層的粘膜支持連関システム」という新しい視点からの生体高次複雑系の一翼を担う腸管監視・防御機構を明らかにした。炎症遷延化に関わる新たな治療標的細胞の同定のみならず、腸を保護する他の臓器の機能への介入による腸疾患制御法の開発につながる重要な成果が得られた。これらの研究成果は「階層的粘膜支持連関システム」を標的とした炎症性疾患ならびにその合併症に対する新たな画期的な予防・治療法の開発に繋がる可能性を有している。
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