• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

人権の国際的保障システムの形成・発展における「国際行政官」の役割

研究課題

研究課題/領域番号 18H05647
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹内 徹  名古屋大学, 法学研究科, 研究員 (90823138)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワードヨーロッパ人権条約 / ヨーロッパ評議会 / ヨーロッパ人権裁判所 / 国際行政官 / 機能主義
研究実績の概要

ヨーロッパ人権条約は、人権を国際的に保障する取り組みのなかで最も実効的であると評価されてきた。本研究は、そうした同条約の実施システムが、どのように形成され発展してきたのかを、同条約の母体機構であるヨーロッパ評議会の職員(国際行政官)の活動に着目して明らかにしようとする。ヨーロッパ人権条約の実施システムは、締約国意思から一定程度自律した空間で国際行政官によって精緻化されているというのが、申請者の見立てである。
この目的のために、平成30年度は、とりわけ、関連の一次資料を読み込む作業に従事した。ヨーロッパ人権条約の実施システムの形成・発展を国際行政官(ヨーロッパ評議会職員)に着目して考察する研究がこれまでほとんど存在しなかったことを踏まえると、一次資料を渉猟する作業が欠かせない。その結果、とりわけ、ヨーロッパ評議会閣僚委員会が行っているヨーロッパ人権裁判所判決の執行監視手続の形成・発展について次のことが明らかになった。
ヨーロッパ人権条約は、人権裁判所判決の執行監視を行う権限が閣僚委員会にあると規定するのみで、その監視手続については何も定めていない。閣僚委員会は監視のための規則を1976年と2001年、2006年に制定したが、そこでも詳しい手続は定められていない。一方で、現在の実際の監視手続は相当程度充実した密度の濃いものになっている。そして、そのほとんどは、判決執行部に所属するヨーロッパ評議会の職員によって、実践を通してあるいは閣僚委員会の了解を得て形成されてきたのである。
このことは、ストラスブールでの現地調査でも確認できた。判決執行部の職員に聞き取り調査したところ、判決執行監視手続に関するほとんどの提案は同部署から行われ、そのほぼすべてが採用されているというのである。ここには、実施システムの発展を専門知識を有する職能集団に委ねるという機能主義的発想が見てとれる。

現在までの達成度 (段落)

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成30年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヨーロッパ人権裁判所の被害者救済機能再考:衡平な満足付与を巡る実行を素材として2018

    • 著者名/発表者名
      竹内徹
    • 雑誌名

      国際人権

      巻: 29 ページ: 88, 92

    • 査読あり
  • [図書] ヨーロッパ人権裁判所の判例Ⅱ2019

    • 著者名/発表者名
      小畑郁・江島晶子・北村泰三・建石真公子・戸波江二・竹内徹ほか
    • 総ページ数
      522
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      978-4-7972-5636-9

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi