研究実績の概要 |
(1) 骨格筋幹細胞特異的AR遺伝子欠損マウスの作出ならびに静止期の骨格筋の評価 骨格筋幹細胞特異的にタモキシフェン誘導型のCreを発現するマウス(Pax7Cre-ERT2)と、AR floxマウス(ARf/y)との交配により、骨格筋幹細胞特異的AR欠損マウス(Pax7Cre-ERT2;ARf/y)を作出した。このマウスの8週齢時に、タモキシフェンを腹腔内投与することで、AR遺伝子欠損を誘導した。後肢の各種筋を採取し、組織学的解析を実施した。その結果、静止期における骨格筋幹細胞でARを欠損させても、大きな表現型はみられなかった。 (2) Pax7Cre-ERT2;ARf/yマウスにおける骨格筋幹細胞の単離 骨格筋幹細胞に特異的な表面マーカを染色することで、セルソータをもちいて、Pax7Cre-ERT2;ARf/yマウスから骨格筋幹細胞を単離した。単離した細胞でARの発現を確認したところ、骨格筋細胞特異的にARの発現が減少していることを確認した。 (3) Pax7Cre-ERT2;ARf/yマウスにおける筋損傷ならびに再生期の骨格筋の評価 上記のマウスに対して、ヘビ毒素ファミリーの一つでPKC特異的阻害作用を有するCardiotoxinをもちいて、前脛骨筋(Tibialis anterior, TA)に筋損傷を誘導し、骨格筋の再生能を評価した。損傷後、5・14・21日後にTAを回収し、筋重量の測定ならびに肉眼的変化を観察後、凍結切片を作成した。凍結切片では、組織学的ならびに免疫組織学的解析を行った。その結果、コントロールマウスであるPax7Cre-ERT2においても、Pax7発現細胞数の減少という表現型がみられた。
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