研究課題/領域番号 |
18J00351
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西井 麻里奈 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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キーワード | 戦災復興土地区画整理事業 / 広島 / 戦後都市史 / エゴ・ドキュメント / 社会史 / オーラル・ヒストリー |
研究実績の概要 |
本研究は、戦争被害地における人びとの生活再建がどのように行われたのかについて、特に広島市を事例とし、戦後都市を対象とする社会史研究の視点から明らかにするものである。 本年度は、戦災復興計画における土地や居住に関する個人の経験に関する調査を行った。まず文献調査としては、所属大学を拠点とし、歴史学研究、戦争記憶研究、都市史研究の関連書籍を通じ、戦災復興、および戦後都市史研究の研究動向を把握した。その後、広島における戦後住宅政策史に焦点を当て、計3回の長期の資料調査を実施した。さらに、本研究の主たる資料である復興事務所資料について実証的研究を進め、一定の成果をあげた。 加えて、本年度は新規のインフォーマントを含め、合計3件の聞き取り調査を実施した。建物疎開と戦災復興土地区画整理事業の経験、戦後の生活史など、重要な内容を記録することができた。 この作業の過程で、本研究の研究史上の位置を明確化し、満洲の記憶研究会(2018年7月)、時間・空間研究会(2018年8月)、立命館史学会(2018年12月)、NPOサーベイ研究会(2019年2月)にて、それぞれ個人報告の機会を得た。 また、本年度の成果を含む以下の2つの書籍、およびメディアに、研究成果が掲載された。1. 東琢磨ほか編『忘却の記憶 広島』月曜社、2018年(「〈そこにいてはならないもの〉たちの声― 広島・「復興」を生きる技法の社会史」を寄稿、ブックガイド・年表を執筆)2. 『中国新聞』の文化欄コラム「緑地帯」(2019年3月6日から15日にかけて8回連載コラム「声を読みとく」を掲載)、3. 杉原達編『戦後日本の帝国経験』青弓社、2018年(「第5章 二つの大広島―「軍都広島」と「平和都市」の貫戦史」を執筆)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の研究内容として予定した事項におおむね着手した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、1年目に収集したものの分析・整理ができていない聞き取り調査の整理に着手し、成果公開を行う。また、2年目以降は広島だけでなく、他都市の事例との比較研究に着手する。
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