研究課題
・超低金属量星による連星の進化計算コードの作成を共同研究者と行った。本成果を用いた計算及び論文執筆を今後行う予定である。・位置天文衛星GAIAによって観測されうるブラックホール‐主系列連星(BH-MS連星)を連星進化計算によって予想した。また、GAIAで発見されたBH-MS連星を4m級望遠鏡で追観測することで伴星の主系列星の金属量を図れることを明らかにした。これにより、ブラックホールの特徴と形成環境の金属量との関係を調べることを示した。・高赤方偏移で起こるガンマ線バーストの発生率を初代星の連星合体計算から算出した。ガンマ線バーストは星が燃え尽きた後の重力崩壊時に付随して起こると考えられおり、高赤方偏移では初代星によるガンマ線バーストが起こっていると考えられる。このガンマ線バーストを起こすには星が速く回転している必要があるが、初代星の自転についてはまだわかっていない。そこで、初代星連星が燃え尽きる前に合体してできた星は軌道から角運動量をもらうため、高速回転することに着目し、連星合体を起こしてガンマ線バーストを起こしうるほど早く回転する星の数を見積もることで高赤方偏移のガンマ線バーストの数を見積もった。・指導学生に連星進化の計算手法を教え、Ultra striped supernova(USSN)の発生率及び発生チャンネルを見積もった。USSNは連星中性子星の形成に重要な役割をすることが知られており、今後の観測と本研究を照らし合わせることで連星中性子星形成に制限を加えられる。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定である極低金属精錬性の進化計算コードがほぼ完成していることに加え、高赤方偏移でのガンマ線バースト観測率や、位置観測衛星GAIAにおけるブラックホール連星観測での金属量星依存性を明らかにする論文を執筆し、重力波以外への周辺分野への連星の寄与を明らかにしているため。
・極低金属量連星の計算コードを完成させ、金属量ごとの星の進化の違いを明らかにする論文を執筆する。・上記の計算コードを用い、重力波における連星ブラックホールの質量分布や合体率と金属量の依存性を調べ、観測との比較を行う。・連星中性子星の合体位置と超新星爆発での反作用によるkickとの相関を求める。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
arXiv
巻: arXiv: 1901.03516 ページ: 1-8
巻: arXiv:1901.03569 ページ: 1-23
Nature Astronomy
巻: 3 ページ: 35~40
10.1038/s41550-018-0658-y
巻: arXiv: 1903.07575 ページ: 1-13
巻: arXiv:1810.09721 ページ: 1-4