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2018 年度 実績報告書

1分子イメージングによる花粉管細胞誘引機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18J01077
研究機関名古屋大学

研究代表者

柳澤 直樹  名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワードマイクロ流体デバイス / Ⅰ分子イメージング / 花粉管
研究実績の概要

本研究初年度となる2018年度は、花粉管誘引物質の活性試験を行うためのデバイスを開発した。花粉管の誘引応答を調べる際、試料を含ませたビーズを花粉管に与える方法が用いられるが、誘引物質の濃度ならびに勾配の程度はビーズを与えた時点から時間とともに常に変化する。物質の濃度(分子の量)と勾配(分子の分布)はそれぞれ異なるパラメータであり、それらが花粉管の誘引にどのように影響するのかを調べるためには、濃度の勾配を維持する必要がある。この問題を解決するために、誘引物質の濃度勾配を長時間(約15時間)維持することができるデバイスを開発した。このデバイスはシリンジポンプに接続されており、常にサンプルを流し続ける必要があるが、15nL/minの流速で15時間流し続けた場合、使用されるサンプルの総量は13~14uLという微量で実験が可能である。また、サンプルが流れるマイクロ流路と花粉管が伸長するマイクロチャンバーの間はアガロースの壁で隔たれていることから、花粉管が液体の流れを感じることは無く、花粉管の伸長方向に影響を与えることがないような仕組みを取り入れた。次に、このデバイスを用いて定常状態のAtLURE1.2の濃度勾配を形成し、シロイヌナズナの花粉管がどのように伸長するかを試験した。これまでに、花粉管がAtLUREに反応していることを示す伸長時のうねりをいくつか観察しており、今後はAtLURE1.2の濃度と濃度勾配の2つのパラメータが、花粉管の伸長方向にどう影響を与えるのかを調べていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

濃度勾配を長時間維持可能なデバイスは、再現性良く扱える状態にまで最適化されており、また誘引物質に対する花粉管の応答も確認できていることから、ここまで順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

リガンド分子と受容体分子がいつ・どこで・どのように相互作用を起こしているのか、その時空間情報を得るには1分子の感度と解像度が必要となる。今後は、マイクロ流路内での流体操作を駆使し、数分子の量の誘引物質を花粉管先端部位へ与える技術開発に着手する。

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公開日: 2019-12-27  

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