恐怖条件付け学習に必須な脳領域である終脳の背側内側部で発現するemx3遺伝子について、機能解析を進めてきた。CRISPR/Cas9法を用いてemx3遺伝子の機能破壊変異を三種類作製し、恐怖条件付け学習をはじめとする行動解析を行った。さらにemx3遺伝子を破壊し、同時に遺伝子発現をモニターするために、emx3遺伝子へCRISPR/Cas9法による相同組換えで酵母転写因子GAL4をノックインするための実験を行った。三種類のGAL4遺伝子のノックインラインを得ることができ、発生初期の終脳と成体の終脳の両方でレポーター遺伝子の発現が強い系統の樹立に成功した。作製したノックインフィッシュとUAS下流に任意の遺伝子を融合したコンストラクトを発現するトランスジェニックフィッシュと掛け合わせ、emx3発現神経細胞における機能を解析している。また、emx3変異体の表現型解析として脳の形態解析を行い、emx3変異体において異常な表現型を再現性良く得ることができた。
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