研究課題
本研究はダイヤモンドFETを放射線の積算線量計として応用することを目指すものである。本年度はFET構造の試作とn型ダイヤモンド中の少数キャリア輸送特性評価を開始した。FETの母体となるn型ダイヤモンド上にMESFETを形成した。{111}上の低濃度(~1e16 cm-3)リンドープダイヤモンドと高濃度(~1e20 cm-3)リンドープダイヤモンド成長技術を組み合わせソース・ドレイン用のオーミックコンタクト、ゲート用のショットキーコンタクトを形成した。作製したFETのIds-Vds特性評価からFETとして動作することを確認した。n型ダイヤモンド少数キャリア輸送特性評価としてはEBICを用いて疑似縦型pn接合ダイオードに対し、電荷キャリアの収集効率からn型ダイヤモンドの少数キャリア拡散長を求めた。拡散長は加速電圧5kVから20kVの間で、約1μmから20μmであった。加速電圧の低下に伴い拡散長が低下したことから、オーミックコンタクトを形成するための高濃度n型層でのキャリアの再結合、捕獲の影響を受けており、より正確な評価には十分に厚い膜厚のダイオード、あるいは横型構造のダイオードが必要であることが分かった。学会発表については、昨年度得られた{111}ダイヤモンドのドーパント取り込みに関する成果を2件報告した。本年度得られた研究成果についてもn型ダイヤモンドのFET特性に関する論文1件の誌上発表を予定している。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
physica status solidi (a)
巻: 216 ページ: 1900247~1900247
10.1002/pssa.201900247