本年度はまず高分子合成に必要なモノマーおよび蛍光色素などの合成に着手した。蛍光色素は近赤外に蛍光を持つシアニン系色素を合成し、高分子との結合に必要な官能基の導入にも成功した。モノマーについては、ポリアミノ酸合成のためのアミノ酸モノマーや抗がん剤を組み込んだメタクリルアミド系のモノマー合成に取り組んだ。合成上の問題から一部繰越申請をし、2019年度にも同様の内容に取り組んでいる。また評価系の一貫として、ポリアニオンである核酸アプタマーの生体内での挙動の評価についても取り組んでいる。ポリアニオンは生体内で肝臓に主に集積することや、一部血管から実質へと漏出していく様子の観察に成功している。さらに生体組織の三次元観察を可能とする組織透明化手法についても予備検討を進めており、種々の臓器での透明化や透明化組織の共焦点顕微鏡を用いた観察などが可能であることを見出している。
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