本年度は、タンパク質の細胞内局在に寄与する因子による分類と糖種の相関をもとに、タンパク質の細胞内局在性に応じた糖鎖修飾分布を明らかにした。加えて、バイオインフォマティクス解析の結果を実験的に明らかにするためにモデルタンパク質を選定し局在を人工的にコントロール可能な手法を構築した。 [A] 植物タンパク質を利用した、ヒト培養細胞内の様々なオルガネラに輸送可能な評価モデルの構築。植物由来のGPIアンカー型タンパク質CEBiPをもとに、局在性に関与するシグナル領域前後にAcGFPを導入し、最適な条件を検討した。GPI修飾に寄与するAS領域の前にGFPを導入することで、適切にオルガネラを経由し細胞膜に局在化することが本研究で示された。 > 2018年7月にチェコ・プラハで行われたThe 43rd FEBS Congressにてポスター発表行った。また、当該論文を投稿準備中である。 [B] 膜タンパク質の膜貫通領域を用いてオルガネラ膜局在の構築。小胞体やゴルジ体に局在化する膜タンパク質を対象に、モデルタンパク質を選定し膜貫通領域をAcGFPに導入し、HeLa細胞を用いてオルガネラ局在性を確認した。その結果、膜貫通領域周辺を蛍光タンパク質に導入することで、Nativeタンパク質と同様に輸送されることが確認された。この結果により、細胞内の様々なオルガネラに目的のキメラタンパク質を輸送する基盤が構築できたことが示された。 > Proceedings of the Eighteenth International Symposium on Advanced Fluid Informationに投稿した。また、2018年11月に日本・仙台で行われた15th International Conference on Flow Dynamicにて口頭発表を行った。
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