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2019 年度 実績報告書

両立不可能性と一般確率論を用いた量子論の数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J10310
研究機関京都大学

研究代表者

浜村 一航  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード量子論基礎 / 量子測定理論 / 量子コンピュータ / 同時測定 / 両立不可能性
研究実績の概要

本研究の目的は量子論の構造を数理的に明らかにすることである。特に近年進展している両立不可能性という操作的かつ一般的な観点から量子論の性質を明らかにすることがこの研究の目的である。また、基礎的な議論のみならず、両立不可能性を応用することも目標としている。
そこでまず今年度は次の研究を実施した。量子論において情報と擾乱の関係を調べた。定量的な情報と擾乱の関係は幅広くしらべられているが、本研究では状態識別能力と無擾乱性を用いて定性的な評価を行った。ここでいう定性的というのは、前順序関係のことである。状態識別能力がより高い測定は擾乱が大きくなることを証明した。さらに、状態識別能力と無擾乱性はそれぞれに対応するベクトル空間の次元を用いて定量化することができる。そこで、この定量化を用いて、状態識別能力と無擾乱性にトレードオフ関係があることを不等式の形で証明した。この結果は、Journal of Mathematical Physics, 60, 082103 (2019)で出版されている。
次に、昨年度のIBM東京基礎研究所におけるインターンシップの共同研究を論文としてまとめた。プレプリントはarXiv:1909.09119にある。この研究は、両立可能性を量子コンピュータアルゴリズムに応用するというものである。具体的には物理量の評価を、複数の物理量を同時に測定することによって高速化するというものである。特に昨年度の研究で扱ったエンタングルした物理量の測定を用いたことが、本研究の特徴である。物理量のエンタングルメントを用いることによって、これまでに利用できなかった同時測定を利用可能にしているので、既存研究よりも測定の回数を減らすことに成功した。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Relation between the state distinction power and disturbance in quantum measurements2019

    • 著者名/発表者名
      Hamamura Ikko、Miyadera Takayuki
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics

      巻: 60 ページ: 082103~082103

    • DOI

      https://doi.org/10.1063/1.5109446

    • 査読あり
  • [学会発表] 情報因果律からCHSHモノガミー不等式を導出する2020

    • 著者名/発表者名
      濵村 一航
    • 学会等名
      第9回 QUATUO 研究会
  • [学会発表] 量子コンピュータを用いた非文脈依存性の破れの検証2019

    • 著者名/発表者名
      濵村一航
    • 学会等名
      日本物理学会2019年秋季大会
  • [学会発表] 物理量の測定と状態変化における両立不可能性2019

    • 著者名/発表者名
      濵村 一航
    • 学会等名
      第64回物性若手夏の学校
  • [学会発表] 量子ボードゲーム「エンタングリオン」2019

    • 著者名/発表者名
      濵村 一航
    • 学会等名
      第64回物性若手夏の学校
  • [産業財産権] GROUPING OF PAULI STRINGS USING ENTANGLED MEASUREMENTS2019

    • 発明者名
      IKKO HAMAMURA, TAKASHI IMAMICHI
    • 権利者名
      IBM
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2019-010284

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公開日: 2021-01-27  

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