現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、研究テーマ「南宋成立期における天下理念の再編」を完成させるとともに、台湾・中央研究院において在外研究を開始し、中国・台湾での研究状況の把握と当地研究機関での史料調査を行う予定であった。しかし、当初の予定よりも研究が進展したために、台湾・中央研究院で在外研究を行いながら、以下二点の様に研究が進捗した。 第一に、上述のような新たな研究テーマ「宋代の朝貢と翻訳」を扱うことができた。当研究の進展もまた著しく、上述のように国内外の研究会・学会等で成果報告をすることができた。さらに、中国・広州の中山大学にて成果報告を行った際には、同大学に所属する謝湜教授より学術誌『歴史人類學學刊』(中国、中山大学歴史人類学学術中心ほか)への投稿を依頼されている。 第二に、共著という形式で、英文論文“Recent Japanese Scholarship on the Multi-State Order in East Eurasia From the Tenth to Thirteenth Centuries.” ( Journal of Song-Yuan Studies 47, 2017-2018, pp. 193-205.)を発表することができた。当論文は、近年の日本の研究界における「10~13世紀の東部ユーラシアの国際秩序」に関する研究動向をまとめ、世界的に発信することを目的としたものである。当論文中では、自身の既出論文である「未完の統一王朝」(『史学雑誌』126-6, 2017, pp. 36-61.)を紹介した。また、当初今年度の研究課題とする予定であり、研究の進展によって昨年度3月に既に発表することとなった「南宋期における外交儀礼の復興と再編」(『南方文化』44, 2018, pp. 1-23.)についても、当論文中で紹介することができた。
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