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2019 年度 実績報告書

ヒトの音韻知覚メカニズム:「聴覚説」と「音声知覚の運動理論」の統合とその具体化

研究課題

研究課題/領域番号 18J10654
研究機関九州大学

研究代表者

田村 俊介  九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード音声知覚 / 音声生成 / 脳波 / 脳磁図 / 有声性 / 有声開始時間
研究実績の概要

ヒトがどのようなメカニズムで音声信号から音韻情報を抽出するのかを解明することを目的として, 主要な音韻弁別素性である有声性の音韻対立(/d/-/t/などの有声音と無声音の音韻対立)を聴き分ける上で聴覚系や音声生成系で行われる音声知覚処理がそれぞれどのような役割を担うのかを検討した。
日本母語話者と有声音と無声音を聴き分けることが困難な韓国語母語話者を対象として, 有声音と無声音の識別課題を行なっている際の脳波計測を行い, 聴覚皮質由来の誘発電位に言語間で顕著な違いが見られた。言語間比較を通して, 音韻情報の知覚と関連する脳活動が聴覚系の処理段階で生じることを明らかにしたこの研究に関連する成果については, Neuroscience Lettersに論文を投稿して現在査読対応中である。
変形聴覚フィードバック実験を用いて有声音や無声音の違いが明確になるように発声を変化させると, 発声が変化する前よりも後の方が有声音と無声音を明確に聴き分けるようになることを発見した。音声生成系で行われる音声知覚処理が音韻識別精度に関与することを発見したこの研究に関連する成果についてはExperimental Brain Researchに論文を投稿し採択された。
有声音と無声音の聴き分けに関与する脳内メカニズムとそれらの生成に係る脳内メカニズムの共通性を調べた研究では, 脳磁図を用いた実験で有声音と無声音の識別課題を行っている際の脳活動を調べた結果, 有声音と無声音を生成し分けるために重要な役割を担うとされるsubcentral areaが有声音と無声音の識別精度と相関する活動が見られることが分かった。有声性を題材にして音声知覚と音声生成の脳内メカニズムの共通性を示したこの研究成果については現在論文投稿の準備を進めている。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Precision of voicing perceptual identification is altered in association with voice-onset time production change2019

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Tamura, Kazuhito Ito, Nobuyuki Hirose, Mori Shuji
    • 雑誌名

      Experimental Brain Research

      巻: 237 ページ: 2197-2204

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s00221-019-05584-1

    • 査読あり
  • [学会発表] なぜ同じ破裂音が日本語・韓国語話者で違って聴こえるのか:合成音声 刺激による検討2019

    • 著者名/発表者名
      成儒彬, 田村俊介, 光藤宏行
    • 学会等名
      日本認知心理学会第17回大会
  • [学会発表] 時間 的側面から見た音声知覚における感覚運動情報処理の脳内メカニズム:脳磁図と機能的磁気共鳴画像法 を用いた検討2019

    • 著者名/発表者名
      田村俊介, 廣永成人, 光藤崇子, 廣瀬信之, 森周司, 帆秋伸彦, 中村一太, 鬼塚俊明, 平野羊嗣
    • 学会等名
      日本音響学会2019年秋季研究発表会

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公開日: 2021-01-27  

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