本研究は腰痛セルフマネジメントに特化したモバイルヘルスの開発と効果検証を目的とした研究であり、平成31年度においては、プレ実験のデータ解析、および、本実験を実施した。 平成31年度に実施した具体的な内容としては、① プレ実験のデータ解析、②プレ実験の国際学会における発表、 ③本実験の倫理委員会・UMINへの臨床試験登録、④ 本実験の研究対者リクルート、⑤ 本実験の介入実施、⑥ 本実験のベースライン評価・中間評価(介入開始3ヶ月時)である。 プレ実験の解析の結果、コントロール群と比較して、介入群(モバイルヘルス群)は有意に腰痛の程度に改善が見られた。また、抑うつ症状や運動恐怖感、頸部痛においても改善していた。一方で、労働生産性に関しては、有意な改善効果は観察されなかった。本プレ実験の解析結果は、平成31年度に開催された欧州疼痛学会にて研究発表を実施し、様々な研究者と研究結果についてディスカッションをすることで、本実験に繋がる有益なフィードバックを得ることができた。 しかしながら、研究フィールドや研究対象者との、開始時期の調整などにより、予定していた時期よりも本実験の研究開始時期が遅れたため、現時点で本実験が完了していない状況である。そのため、今後も本実験が終了するまで、実施を継続していく予定である。本実験が終了した際には、より大きなサンプルサイズを用いたより頑健性のデータを提示していく予定である。
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