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2018 年度 実績報告書

上丘の中枢パターン発生器に対する制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18J11771
研究機関京都大学

研究代表者

兼重 美希  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード上丘 / ヒゲ運動
研究実績の概要

本研究は、中脳にある上丘が、ラットのヒゲ運動制御にどのように関わるかを明らかにすることを目的としている。これまでに、運動解析と線維連絡解析実験を行った。まず、運動解析では、一側の上丘を直流電流の通電により破壊したラット(上丘損傷ラット)を作製した。そして、上丘損傷ラットの頭部を固定した後、覚醒下で両側のヒゲ運動を記録し、そのヒゲ運動軌跡を健常ラットのヒゲ運動軌跡と比較した。その結果、上丘損傷ラットでは、損傷と反対側のヒゲの運動静止時の位置が後退することが観察された。次に、線維連絡解析として、健常ラットの一側の上丘に順行性にその投射先を可視化する組換えウイルスベクターを注入し、免疫染色により上丘ニューロンの軸索を可視化した。そして、それぞれの脳領域に投射した上丘ニューロンの軸索密度を求めた。上丘ニューロンの軸索線維は、主に反対側の下部脳幹へ下降し、注入と反対側におけるヒゲの中枢パターン発生器や顔面神経核に多く投射していることが確認された。以上のことから、上丘から中枢パターン発生器、上丘から顔面神経核に存在する神経回路が、主に運動静止時のヒゲの位置の制御に関わるということが明らかになった。本研究課題に関する以上の研究成果は、本年11月に、Frontiers in Neural Circuits誌に出版された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

運動解析と線維連絡解析実験が完了した。そして、これらの実験で得られた研究成果は論文として出版された。当初予定していた計画通りに進んでいるため、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

ラットのヒゲ運動などの律動的な運動を行う際に重要な役割を果たすと推定されている中枢パターン発生器のほとんどは、脊髄に存在すると考えられている。そのため、今後はこれまでの研究を発展させ、脊髄が運動制御にどのように貢献しているかを明らかにするための実験を行う。具体的には、脊髄への電気刺激による筋肉への効果を検証する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A Descending Circuit Derived From the Superior Colliculus Modulates Vibrissal Movements2018

    • 著者名/発表者名
      Miki Kaneshige, Ken-ichi Shibata, Jun Matsubayashi, Akira Mitani and Takahiro Furuta
    • 雑誌名

      Frontiers in Neural Circuits

      巻: 12 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fncir.2018.00100

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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