研究課題/領域番号 |
18J11897
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐竹 瞬 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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キーワード | C-H官能基化 / 触媒的不斉合成 / 遷移金属錯体 / 有機分子触媒 |
研究実績の概要 |
平成30年度は以前より取り組んでいた、Cp*Rh/キラルジスルホナートハイブリッド触媒を利用した不斉C-H付加反応を論文報告した。論文報告後には想定反応機構を裏付ける実験的知見が得られ、今後の適用系拡大を目指す上で重要な成果となった。この際用いたハイブリッド触媒については適用反応系をより広範に検討し、新たに不斉分子内オキシアミノ化反応を見出すことに成功している。本反応における反応メカニズムは、先に論文報告したものとは大きく異なっていることが想定され、Cp*Rh/キラルジスルホナートハイブリッド触媒の新たな応用の可能性が期待できるものなっている。また、ハイブリッド触媒独自の新反応開発を目指し、多成分反応の開発にも着手している。初期の段階ではあるが、通常のRh錯体では不可能な性質を示している。 上記と並行してスピロ骨格を持つキラルジスルホナートや、電子求引基を多数導入したキラルジスルホナートをデザインし合成法を確立した。Cp*Rh錯体への導入も検討し先の論文に掲載することができたが、現在もさらなる応用探索を進めている。また、ジスルホナートでは金属錯体の触媒活性が低下することが明らかとなり、触媒活性の低下を抑制するより配位性の低いキラルアニオン種を新たに開発した。活性の低下が顕著であったCp*Ir錯体に対しても、触媒活性を損なうことなく導入できることを確認している。今後は不斉反応への適用を探索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した、Cp配位子に対するキラル対アニオン種との相互作用部位の導入や、スルホナートとカルボキシラートの両方を持つキラルアニオン種の合成を達成し、初期的な検討を行ったが当初期待した追加機能等は見出すことができていない。しかしながら、それぞれに対する化合物の特性や合成的知見を収集できた点ではある程度の手応えを感じられた。 他方で論文報告や、反応機構に対する有力な知見の獲得、今後の応用が期待できるハイブリッド触媒の新反応、新規キラルアニオン種を開発した点では、申請書作成段階とは異なる方向ではあるものの良好な進捗であると判断できる。以上の進捗状況から、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
新たに見出した、分子内不斉オキシアミノ化反応を論文報告することを第一に進める計画である。現状で良好な選択性を見出しており、収率を向上させることができれば論文報告できる段階となっている。上記と並行して、新たに開発した新規キラルアニオン種に対して、これまでの知見にとらわれない広範な検討を行い、独自の画期的反応の開発を目指す。 Cp配位子への相互作用部位の導入は錯体自体の調製は可能になっているので、広範な検討で得られた知見を元に適宜応用を探索する予定である。
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