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2019 年度 実績報告書

セレン化カドミウムマジックサイズクラスターの固体核磁気共鳴分光法による構造決定

研究課題

研究課題/領域番号 18J11973
研究機関京都大学

研究代表者

栗原 拓也  京都大学, 高等研究院, 特定研究員

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワードマジックサイズクラスター / 固体NMR / 動的核偏極法
研究実績の概要

システインを保護基としたCdSeマジックサイズクラスター(CdSe-Cys)の、固体NMR法を利用した構造研究において、本年度は主に外部施設に出張し動的核偏極(Dynamic Nuclear Polarization; DNP)法を利用することで、CdSeクラスター本体の固体NMR測定・構造解析に取り組んだ。
DNP法では、核スピンと比べて非常に大きな電子スピンの偏極を核に移動することで、非常に高感度な測定が実現される。CdSe-Cysの111/113Cdおよび77SeのNMR信号は、線幅の広さや緩和の影響により非常に低感度であることが昨年度の研究において非常に大きな問題であったが、本年度の研究では、まずDNP測定のための試料調整の条件の最適化を行い、100倍程度の信号強度の増強を達成した。これにより、通常のNMR測定では困難であった2次元相関NMR実験が可能となった。77Seに対しては、核間距離に大きさが依存する双極子相互作用を利用した同種核間の2次元NMR測定を行い、サイト間の距離に依存して2次元等高線スペクトル上に現れる相関ピークを基に、全体としては広幅な77Seの信号を各サイトを構成する細いピークへと分離、帰属しサイト間の距離情報の解析を行った。111Cdでは、クラスター表面にてシステインの配位により形成されているN-Cd結合を利用し、化学結合を介する核スピン間J相互作用を利用した相関NMRにより、15Nと結合している表面サイトの111Cdピークを広幅な111Cd信号より分離することに成功した。また、ピークの形状や位置より、Nと結合していないCdはNと結合しているものよりサイトの対称性がよく、バルクCdSeに近い状態にあることが示唆された。これらの結果は現在論文としてまとめており、近日投稿予定である。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 固体NMR を用いたCdSe マジックサイズクラスターの構造解析2019

    • 著者名/発表者名
      栗原 拓也、野田 泰斗、竹腰 清乃理
    • 学会等名
      第65回固体NMR・材料フォーラム
  • [学会発表] DNP法を利用した固体NMRによるCdSeクラスターの表面構造解析2019

    • 著者名/発表者名
      栗原 拓也、村田 翔、野田 泰斗、竹腰 清乃理
    • 学会等名
      第66回固体NMR・材料フォーラム
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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