研究課題
本研究は、一酸化炭素(CO)の大気-海洋間の交換における海面ミクロ層の役割と、海面水温の上昇による海面ミクロ層におけるCO生成・消費速度の変化およびその地球温暖化に対するフィードバック機構を明らかにすることを目的とし、温帯沿岸域の海面ミクロ層におけるCO生成・消費速度の現場調査(①)、地球温暖化を想定した水温上昇実験(②)を実施するものである。②は既に初年度に実施済みであるため、本年度は初年度に引き続き、相模湾模湾沿岸域において①を実施した。その結果、海面ミクロ層におけるCO消費は大気-海洋間のCO交換を考慮する上で年間を通して無視できるが、海面ミクロ層におけるCO生成は季節的にCOの海洋-大気フラックスを高めることが示唆された。COを消費する細菌の現存量・群集構造の測定・解析は、現在実施中である。また、10月中旬から12月下旬にかけて「白鳳丸30周年記念世界一周航海」に参加する機会を得たので、太平洋東部(西経90°線上の南緯30°と45°の2つの観測点)においても同様の現場調査を実施した。海面ミクロ層における溶存CO濃度、CO生成速度、CO消費速度を測定し、現在は結果を解析中である。本研究で得られた成果は、国際学術雑誌「Journal of Geophysical Research: Oceans」に掲載され、2月下旬にアメリカ・カリフォルニアで開催された国際学会「Ocean Sciences Meeting 2020」において発表された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Geophysical Research: Oceans
巻: 125 ページ: e2019JC015505
10.1029/2019JC015505
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