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2018 年度 実績報告書

転写因子プロテインアレイを用いた疾患感受性SNP結合因子同定技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18J12730
研究機関愛媛大学

研究代表者

野村 俊介  愛媛大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワードDNA-転写因子間相互作用 / 転写因子 / SNP解析技術
研究実績の概要

疾患メカニズム解明を目的としたゲノムワイド関連解析から、疾患発症に関連するSNPが数多く同定されている。疾患感受性SNPは、タンパク質をコードする領域から、プロモーターやエンハンサーなどの遺伝子制御領域まで幅広く存在する。しかしながら、タンパク質をコードする領域のSNPの解析は広く行われているものの、遺伝子制御領域に存在する疾患感受性SNPの解析はほとんど行われていないのが現状である。本研究では「遺伝子制 御領域に存在する疾患感受性SNP DNA」と「健常者に確認されるDNA」と1,200種類のヒト転写因子プロテインアレイを用い、遺伝子の発現変動を伴う疾患感受性SNPとコントロールDNAに対して、結合能が異なる転写因子を同定する技術の開発を目的とする。
当初計画していた1,200種のヒト転写因子で構成された転写因子プロテインアレイの構築にあたり、コムギ無細胞タンパク質合成系に対応した転写鋳型の作製を行った。結果として、合計1,375種類の転写鋳型の作製に成功した。この転写鋳型を利用して、コムギ無細胞タンパク質合成系によるタンパク質合成を行い、組換えタンパク質として転写因子を集結させたプロテインアレイを作製した。合成した全ての転写因子に対してイムノブロット法による解析を行うことで、少なくとも1084種類の転写因子の発現が確認が認められた。
作製した転写因子プロテインアレイを用いて、当初選定した「コントロールDNA」および「疾患感受性SNP DNA」の相互作用解析を行うことで、「コントロールDNA」と「疾患感受性SNP DNA」に対して結合力の異なる転写因子を複数種類選定することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の遂行にあたり、1,000種類以上のヒト転写因子で構成された転写因子プロテインアレイの作製が最も重要な課題である。この課題に対して。コムギ無細胞タンパク質合成用にデザインされた転写鋳型を1,375種類作製し、この転写鋳型から、384穴形式でヒト転写因子を集結させたプロテインアレイを作製した。これらの全ての転写因子に対して合成確認を行い、少なくとも1084種類の転写因子の発現が確認できている。今回の研究課題において、当初予定した数と同程度の数の転写因子を含んでいるプロテインアレイの作製に成功しており、本研究における重要な進展であると考えている。
さらに、転写因子プロテインアレイと当初選定した「コントロールDNA」および「疾患感受性SNP DNA」の相互作用解析を行うことで、「コントロールDNA」と「疾患感受性SNP DNA」に対して結合力の異なる転写因子を複数種類選定することに成功している。本研究は当初計画通りの進捗であり、研究はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

平成30年度に行ったスクリーニングから得られたデータに加えて、大規模スクリーニングを展開する。また、スクリーニング結果に対する再現性の確認および同定した転写因子の高次解析を行う。高次解析では、培養細胞を用いて、スクリーニングにより同定した転写因子の高発現やsiRNAを利用したノックダウンによる発現抑制をすることで、疾患感受性SNPに関連した遺伝子の発現量を変化させるか解析する。解析手法としては、既存技術であるウエスタンブロット法やRT-PCR法を用いる。また、プロモーター領域に存在するSNPに関しては、SNP配列を含んだプロモーターをベクターに組み込み、プロモーターアッセイを利用して同定した転写因子の解析を行う。本研究の最終目標として得られた疾患感受性 SNP と転写因子の関係性を明らかとしたデータベースの作製を目標とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The important role of glutaminase 1 (Gls1)-mediated glutamine metabolism in Th17 differentiation.2018

    • 著者名/発表者名
      野村 俊介
    • 学会等名
      第47回日本免疫学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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