研究課題
昨年度までの進捗状況ならびに名古屋大学医学系研究科の機器の特性・限界を考慮して、本年度は,基礎生物学研究所(岡崎市)に出向き、全細胞の核・分裂期細胞の染色体の観察を可能とするH2B-EGFPマウスの現地供与のもと、大学共同利用のために備わる、より組織深部を観察可能なGaAsPディテクター付き二光子顕微鏡観察の支援を受けた(文部科学省科学研究費助成事業 「先端バイオイメージング支援プラットフォーム」を利用した)。その結果、名古屋大学から持参した手製デバイス一式を用いて、母マウス麻酔、子宮・胎仔の保持のうえ、大脳皮質原基の外表面(脳膜面)から奥に0.25 mm 程度まで良好な視野を得ることができた。そして胎生13日および14日において、神経幹細胞が脳室面近傍で分裂する様子を、世界で初めて子宮内ライブ観察することに成功した。また分裂の前後の核・細胞体の移動もとらえることができた。視野揺動、胎仔生存等の問題のため連続観察時間が1時間未満に限られるケースが多かったため「幹細胞ヘテロトピア」形成などの病態観察や薬剤投与実験などを断念せざるを得なかった部分は技術的な限界、今後の課題として示されたが、細胞周期インディケータマウスを用いた名古屋大学における観察野結果とあわせて、成果は、Development, Growth & Differentiation 誌(62巻,118-128頁,2020年)に発表した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Development, Growth & Differentiation
巻: 62 ページ: 118-128
0.1111/dgd.12648