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2018 年度 実績報告書

腹部大動脈瘤の進展・破裂を予防しうる食生活関連要因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J12856
研究機関近畿大学

研究代表者

久後 裕菜  近畿大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード腹部大動脈瘤
研究実績の概要

大動脈瘤の破裂および解離による死亡は日本人の死因の第9位に位置する(2015年厚生労働省統計)。この中でも最も一般的な形成部位である腹部大動脈に形成される大動脈瘤を腹部大動脈瘤(Abdominal aortic aneurysm: AAA)という。AAAは腹部大動脈の進行的な拡張を主病変とする疾患であり、拡張した血管は最終的には破裂に至る。AAA破裂は致死的で大量出血により患者の約8~9割が死に至る。AAAの破裂予測は不可能なため、患者は常に精神的なストレスを抱えて生活しなければならない。現時点でステントグラフト内挿術や人工血管置換術が破裂を予防する唯一の方法であり、薬物による治療法や食事による予防法は確立されておらず、特に食生活がAAA進展に及ぼす影響に関する研究は皆無に等しい。血管組織の代謝異常がAAAの進展に影響を及ぼすと考えられているが、AAA形成に関係する代謝異常に対して食生活がどのような影響を及ぼすのかという知見が非常に乏しい事が問題である。
本研究では、食品科学の観点からAAAに関する基礎的な知見を得ることを目的とした。これまでに、申請者らはラットを用いて新たなAAAモデルを作出した。本研究では、作出したAAAモデルを用いて、①AAAの進展・破裂に関係していると考えられる血管壁内脂肪細胞の出現機構の解明、②破裂を抑制または促進する食生活関連因子を明らかにするための研究を行い、脂肪細胞の出現に関する知見を得ると同時に、腹部大動脈瘤の進展を抑制しうる機能性成分の発見ならびにその作用機序の明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の達成目標としていた脂肪細胞の出現機構の解明に関しては、仮説を支持するデータが得られ、順調に進展している。腹部大動脈瘤に影響を及ぼしうる食品成分に関しても知見が集積しつつあり、全体的に研究は順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

脂肪細胞の出現機構に関する研究においては、不足しているデータを収集し、論文化を目指す。また、腹部大動脈瘤を抑制しうる機能性成分に関する研究のデータも追加し、論文化を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 腹部大動脈瘤の進展・破裂に対するEPA高含有魚油の予防効果の検討2018

    • 著者名/発表者名
      久後裕菜、橋本佳祐、宮本智絵、柳本賢一、財満信宏、森山達哉
    • 学会等名
      第72回日本栄養食糧学会
  • [学会発表] セサミン・セサモリンの投与がニコチン投与マウスの血管壁に及ぼす影響の評価2018

    • 著者名/発表者名
      久後裕菜、宮本智絵、松村晋一、吉岡百合、財満信宏、森山達哉
    • 学会等名
      日本油化学会第57回年会
  • [学会発表] EPA高含有魚油投与が腹部大動脈瘤の進展と破裂に及ぼす影響の評価2018

    • 著者名/発表者名
      久後裕菜、財満信宏、田中宏樹、柳本賢一、佐々木健、浦野哲盟、海野直樹、森山達哉
    • 学会等名
      第59回日本脈管学会総会
  • [学会発表] 腹部大動脈瘤における異所性脂肪細胞出現に対する血管周囲脂肪の影響2018

    • 著者名/発表者名
      久後裕菜、財満信宏、森山達哉
    • 学会等名
      中性脂肪学会第2回学術集会
  • [学会発表] 血管壁異所性脂肪細胞が腹部大動脈瘤破裂に及ぼす影響の評価2018

    • 著者名/発表者名
      久後裕菜、宮本智絵、星野健斗、財満信宏、森山達哉
    • 学会等名
      中性脂肪学会第2回学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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