今後の研究の推進方策 |
本研究の目的である(1) 香りとテクスチャの意味的な一致がもたらす効果はどこまで拡張できるのか?(2) 香りの意味的な連合は新たに学習可能か?について検討することとする。 はじめに,予備調査を行い,30種類の香水の中から,女性的,男性的,中性的な香りを選定する。続いて,研究1では,それぞれの香りを漂わせた実験室にて,空気中の香りと商品画像におけるテクスチャの意味的一致の効果について検討する。具体的には,(香り:女性的, 男性的)×(刺激:滑らか, 粗い)の2要因参加者内計画で実験を実施し,予備調査で選定した香りが漂う実験室内において、刺激(紙)に対して、触り心地や好ましさを評定してもらい、意味的な一致の効果が生じるか検証する。それぞれの実験室に入る前には、コーヒー豆の香りを嗅ぐことで、香りの知覚のリセットを行う(Secundo & Sobel, 2006)。 研究2では,中性的な香りを用い、(性別:男, 女)×(学習:女性と関連づけ, 男性と関連づけ, 関連づけなし)×(刺激:滑らか, 粗い)の3要因混合計画で実験を行う。「新しく立ち上げるブランドの評価」というカバーストーリーで、香りが付着した冊子(ビジュアルイメージ:女性ブランド,男性ブランド,その他)を配り、評価してもらうことで、香りの意味的連合の学習を行う。その後、同様の香りが付着した刺激(紙)に対して、触り心地や好ましさを評定してもらい、意味的な一致の効果が生じるか、性差も含めて検討する。その際、付着した香りに関する女性性、男性性の知覚について測定し、意味的連合が学習可能であるか明らかにする。 研究1と研究2を論文にまとめ、Journal Of Consumer Researchに投稿する。また,Association for Consumer Researchで発表する。
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