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2019 年度 実績報告書

水酸化物融剤を用いたY系超伝導体の低温連続結晶成長プロセスの確立

研究課題

研究課題/領域番号 18J13968
研究機関島根大学

研究代表者

宮地 優悟  島根大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード超伝導 / 高温超伝導体 / 結晶成長 / 液相成長
研究実績の概要

RE123超伝導線材の成膜手法としては気相法や有機金属分解法が現在主流であるが、より低コストな手法として、低温環境で高品位なRE123を成膜できる溶融水酸化物法が挙げられる。しかし、この手法は現在、長尺線材の形成に必要な連続的な結晶成長には適していない。そこで、電気化学合成法の応用による連続的な結晶成長のプロセスの確立を目的として実験を行った。研究課題として、Ag電極の溶け出しや、先行研究で確認されたCuOやEu123の析出が確認できないということがこれまで確認されていた。これらの原因として、バブラーの能力不足や、成膜時の液温の測定に問題があることを挙げた。これらの改善を目的として、成膜時の液中温度を測定し、電極付近で測定値と設定値の差異がないことを再確認した。また、バブラーにホットプレートを導入し加熱することで加湿能力を高めた。また、グローブボックス内に湿度計を設置し、ホットプレートの温度を変更することで湿度を制御しながら実験を行った。
これまで湿度制御の導入以前は、溶液の昇温後15時間以上の経過した析出実験では、Agテープが溶解し、結晶の析出は確認できなかったが、湿度制御の導入により、Agテープの溶解を防ぐことに成功し、テープ上に結晶の析出を確認することができた。特に、昇温後21時間の経過後に実験を行った試料に関して、CuOの析出を確認することができた。先行研究において湿度が低い場合にAg電極の溶解が起きるとされていたが、本研究においても高湿度にすることで、電極の溶解を防げることが明らかとなった。
これは湿度が析出物を制御する重要な要素であることを示している。先行研究ではAgワイヤー上にCuO、Eu123などの結晶を析出させていたのに対し、本研究においてはAgテープ上にCuOの析出ができたことから、湿度を精密に制御することで、Eu123相の形成が可能であると期待できる。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 溶融水酸化物法で成膜されたEuBa2Cu4O8膜の熱分解によるEuBa2Cu3O7-δ膜の低温形成プロセスの検討2019

    • 著者名/発表者名
      宮地 優悟,舩木 修平,山田 容士
    • 雑誌名

      低温工学

      巻: 54 ページ: 187-191

    • DOI

      https://doi.org/10.2221/jcsj.54.187

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increasing the Tc of YBa2Cu4O8 to 90 K by Sr substitution via the KOH flux method2019

    • 著者名/発表者名
      Yugo Miyachi, Shuhei Funaki and Yasuji Yamada
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 58 ページ: 070906

    • DOI

      https://10.7567/1347-4065/ab2a3b

    • 査読あり
  • [学会発表] REBCO-CCの低温接合におけるKOH供給方法の検討2019

    • 著者名/発表者名
      舩木 修平,宮地 優悟,髙田 綾,畠田 菜月,山田 容士
    • 学会等名
      2019年度 春季(第97回)低温工学・超電導学会
  • [学会発表] KOH蒸気を用いたREBCO-REBCO間接合界面の合成反応2019

    • 著者名/発表者名
      舩木 修平,宮地 優悟,山田 容士
    • 学会等名
      第80回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] Low-temperature superconducting joints of REBCO-CCs without oxygenation anneal2019

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Funaki, Yugo Miyachi, Yasuji Yamada
    • 学会等名
      European Conference on Applied Superconductivity
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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