研究課題/領域番号 |
18J14281
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
益邑 明伸 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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キーワード | 津波被災 / 復興都市計画 / 産業復興 / 経済センサス / 東日本大震災 |
研究実績の概要 |
1 生産空間からみた被災市街地の復興都市計画の内容 文献調査、自治体担当部局へのインタビュー調査を行った。東日本大震災の復興に関わる政策の大きな枠組みを抑えた上で、岩手県、宮城県の津波被災地における復興都市計画の制度設計の概要と、被災地における実施の全体像の把握を行い、暫定対応の施策も含む今回の復興都市計画の制度、各自治体における復興事業の内容と実施状況の分析を行っている。また、各自治体の都市形成・形成史、被災前の状況、被災状況を踏まえた上で、被災市街地の復興都市計画の内容を分析し、各自治体における被災市街地復興の計画理念を明らかにしようと試みている。岩手県7 自治体、宮城県13 自治体を対象としている。 2 復興都市計画による個別の事業者の事業再建への影響 応急対応期から復旧・復興期における事業者動態(個々の事業者の開業/廃業、移転、仮営業の状態変化)を分析し、復興都市計画事業の実施が事業者動態をどう左右したかの分析を行っている。 経済センサス個票データを基に、発災時の事業区域内立地事業者だけではなく、事業区域外立地、非被災、新規事業者をも含む、事業者動態を明らかにする。被災前から復興過程までの時間経過による変化を把握するためパネルデータを作成した。 次年度、存続・移転状況と企業属性、復興事業の関係の詳細な分析を行う。また、発災時の事業区域内立地事業者を対象に、被災後再開し、現状に至るまでのプロセス、特にいかにして再開場所(仮営業場所、本営業場所)を確保したかを明らかにするため、事業者へのインタビュー調査、アンケート調査を実施した。次年度も他地域で実施する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被災地域における現地調査、被災自治体関係者、事業者へのインタビュー調査、アンケート調査を実施し、その分析を行っている。また統計調査の個票の提供を受け、手法の検討、独自分析を行っており、質的調査と量的調査を統合した総合的な研究に取り組んでいる。その成果として論文投稿や学会発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は特にない。昨年度までの調査の分析を引き続き行う一方、別の被災市街地を対象に事業者へのインタビュー調査、アンケート調査を行い、2018年度の成果との比較を行う。また統計調査票を用いた分析を引き続き実施し、質的、量的の両面から、計画と事業活動の関係性を論じる。
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