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2019 年度 実績報告書

細胞内Hsp90のFRET型バイオセンサーの構築とその阻害剤探索への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18J14502
研究機関京都大学

研究代表者

上田 毅  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワードタンパク質 / ケミカルラベル / 薬剤スクリーニング / 生細胞 / Hsp90
研究実績の概要

Heat shock protein 90 (Hsp90) はATP依存的な分子シャペロンであり、細胞内において様々な蛋白質のフォールディングを制御している。このHsp90のシャペロン活性は、特にがん細胞の増殖や生存に関わる変異型がん遺伝子産物の安定化に必要不可欠である。その一方、正常蛋白質のHsp90への依存性は低いため、Hsp90はがん治療の新たな創薬標的として有望視されている。Hsp90の構造や活性は細胞内環境に大きく影響を受けるため、より正確なHsp90阻害剤評価のためには、本来のHsp90複合体状態を反映する生細胞での評価が重要である。一方、従来の生細胞での阻害剤評価は、がん関連蛋白質の分解を指標に行われており、Hsp90に対する結合活性や様式を直接検出する評価系は存在しないのが現状である。
そこでまず、リガンド指向性NASA化学によるHsp90ラベル化の競合阻害実験を用いて、細胞内で既知のHsp90阻害剤の結合活性を評価できるか検討した。その結果、PU-H71、Geldanamycin、Ganetespib、BIIB021の阻害剤濃度依存的にラベル化の阻害が確認でき、EC50値を指標にHsp90阻害剤の結合活性を評価することが可能であった。一方、親和性の低いPU-WS13やアロステリック阻害剤であるGeduninではラベル化の阻害が見られなかったことから、本手法はHsp90のN末ATP結合サイトに高い親和性で結合する化合物を特異的に検出できることが明らかとなった。さらに本手法を薬剤スクリーニングに適用すると、1280個の化合物を含むライブラリーからHsp90に結合する化合物を新たに見出すことに成功した。この結果から、リガンド指向性NASA化学によるタンパク質修飾が新しい阻害剤を探索する戦略として有用であることが示された。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Development of a Cell-Based Ligand-Screening System for Identifying Hsp90 Inhibitors2020

    • 著者名/発表者名
      Ueda Tsuyoshi、Tamura Tomonori、Hamachi Itaru
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 59 ページ: 179~182

    • DOI

      10.1021/acs.biochem.9b00781

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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