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2018 年度 実績報告書

自然免疫受容体TLR7の構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18J14570
研究機関東京大学

研究代表者

張 志寛  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2020-03-31
キーワード構造生物学 / 自然免疫
研究実績の概要

平成30年度において、自然免疫に関わるToll様受容体の中でウイルスRNAを認識するTLR7と新たなアゴニストの複合体のX線結晶構造解析において順調に進捗していた。
一連の新規結晶構造を解明し、より詳細なTLR7リガンド認識機構を明らかにした。そのうち、十数個のTLR7-IMDQ-ssRNAの複合体構造、生物物理学実験および細胞活性実験を用いて、TLR7のssRNA配列特異性を同定した。また、数個のTLR7-合成リガンドの複合体構造から、強力なTLR7のリガンドとなる化学構造的な特徴を見出した。一方、TLR7-ssRNAの複合体構造から、新規内因性リガンド候補となる2’,3’-cGMPを発見した。これらの研究成果は学術誌のCell reportsに投稿し、掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

多数のTLR7-リガンド複合体の結晶構造の解明に成功し、TLR7の新規内因性リガンド候補となる2’,3’-cGMPを見出した。自然免疫領域において、重要な発見であった。これらの成果は学術誌Cell reportsに論文発表し、高く評価された。これらの状況を鑑みては当初の計画以上に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後に関しては、より生理的な環境に近い溶液環境や脂質膜環境におけるTLR7のリガンド認識機構およびシグナル伝達機構の解明を目指し、TLR7/リガンド複合体のクライオ電子顕微鏡構造解析を進めていくと考えている。そのために、電子顕微鏡解析に適した試料を調製するため、様々なリガンド結合条件および蛋白質安定化条件を検討する。負染色電子顕微鏡解析で確認した試料の均一性および分散性を指標として試料を評価し、最適化条件を探索するというようなフィードバックサイクルで試料の性質を改善していく。性質を向上させた試料を用い、クライオ電子顕微鏡観察を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Structural Analyses of Toll-like Receptor 7 Reveal Detailed RNA Sequence Specificity and Recognition Mechanism of Agonistic Ligands2018

    • 著者名/発表者名
      Zhikuan Zhang, Umeharu Ohto, Takuma Shibata, MasatoTaoka, Yoshio Yamauchi, Ryota Sato, Nikunj M.Shukla, Sunil A.David, Toshiaki Isobe, Kensuke Miyake, Toshiyuki Shimizu
    • 雑誌名

      Cell reports

      巻: 25 ページ: 3371-3381

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.celrep.2018.11.081

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] TLR7のリガンド認識機構の構造基盤2019

    • 著者名/発表者名
      張 志寛, 大戸 梅治, 清水 敏之
    • 学会等名
      2018年度量子ビームサイエンスフェスタ
  • [学会発表] LIGAND RECOGNITION MECHANISM OF TLR7 REVEALED BY A LARGE-SCALE CRYSTALLOGRAPHIC STUDY2018

    • 著者名/発表者名
      Zhikuan Zhang, Umeharu Ohto, Takuma Shibata, Ryota Sato, Kensuke Miyake, Toshiyuki Shimizu
    • 学会等名
      Toll 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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