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2018 年度 実績報告書

摂食障害における自閉症スペクトラム傾向と脳内ネットワークとその継時的変化

研究課題

研究課題/領域番号 18J14667
研究機関京都大学

研究代表者

西田 美智子  京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2018-04-25 – 2021-03-31
キーワード神経性やせ症 / 自閉スペクトラム症 / 安静時fMRI画像 / 拡散テンソル画像
研究実績の概要

1)初回検査での頭部MRIおよび心各種理検査の解析
対象者は、京都大学医学部附属病院精神科および関連病院に通院中、あるいは研究期間内に新たに受診することになった神経性やせ症患者20名、健常者20名を対象に初回に検査した各種心理尺度および頭部MRI画像の解析を行った。自閉症スペクトラム傾向に関する質問紙Autism Quotient(AQ)では、神経性やせ症群は健常群よりも総合点および各下位項目「社会的スキル」、「コミュニケーション」、「注意の切り替え」、「想像力」において高得点が認められ、高い自閉症スペクトラム傾向を示した。また、安静時fMRI画像では、Default mode network(DMN)において患者群と健常群で違いが明らかになったが、自閉症スペクトラム傾向との関連は認められなかった。Saliency network(SN)においては、患者群と健常群で違いが認められなかった。また、拡散テンソル画像では、複数の脳部位で健常者との違いが明らかになったが、自閉症スペクトラム傾向との関連は認めていないが、今後さらなる解析を追加し検討を続ける。以上の結果を、次年度日本摂食障害学会学術集会などの専門学会で発表していくことを予定している。
2)神経性やせ症患者および健常者のリクルートの継続
引き続き、京都大学医学部附属病院精神科の医師および臨床心理士と協力し、神経性やせ症患者および健常者のリクルートを行った。急性期のため研究説明への理解および同意の難しい患者、薬物依存・アルコール依存の合併が認められる患者は除外している。また、健常者においては、すでにリクルートが終了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では縦断的に神経性やせ症患者の頭部撮像および心理検査を行う必要があるが、二回目の検査のリクルートが遅れている。これは、データを取得している本施設で治療を受ける患者が神経性やせ症の中でも重症であることが多い特徴を持ち、病状悪化により研究協力にそぐわない状態にあるケースもあるためである。また、神経性やせ症では、薬物治療で効果が得られる患者は少なくその主たる治療は行動療法であるが、当初の予定と比較して治療経過が難航している症例が多く、研究に再度協力してもらう状態に至っていないのが現状である。また初回検査の解析についても、一般化された解析では神経性やせ症の特徴を十分明らかにすることができなかったため、より専門性の高い追加解析を実施しており、時間を余計に要している状態である。

今後の研究の推進方策

脳画像と自閉症スペクトラム傾向との関連が認められなかったことから、解析方法を追加する予定である。よりノイズを取り除いた前処理を行い、精度の高い脳画像を使用して再解析を続けるとともに、Human Connectome Projectで標準化され世界的に用いられている、異なる解析方法(HCP pipeline)を導入し、より発展的な解析を行っていく。また、引き続き神経性やせ症患者のリクルートを行っていく予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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