研究課題
本研究計画では、摂食障害の一つである神経性やせ症(摂食制限型:ANRおよび過食排出型:ANBP)患者の回復前後において、構造的・機能的結合性の異常と自閉スぺクトラム症傾向の神経基盤を明らかにすることを目的とした。本年度の採用期間は4月から9月であったが、研究対象となる回復後の神経性やせ症患者にとって、前年度と同様に新型コロナウイルス感染症の影響が大きく病状を左右した。そのため、対面での十分な縦断データを取得することができなかった。そこで、既取得のデータを用いて神経性やせ症患者36名(ANR:16名、ANBP:20名)と、年齢・性別をマッチさせた健常対照群43名で、各種心理尺度および頭部MRI画像の解析を行い、回復前の構造的・機能的結合性の異常と自閉スぺクトラム症傾向の神経基盤を明らかにすること試みた。結果、自閉スぺクトラム症傾向に関する質問紙Autism Quotientでは、神経性やせ症患者は健常対照群よりも総合点および下位尺度「社会的スキル」、「コミュニケーション」、「注意の切り替え」、「想像力」、「細部への注意」の5項目全てにおいて高得点であり、高い自閉スぺクトラム症傾向を示した。加えて、神経性やせ症患者と健常対照群の脳画像の比較により、機能的結合では差が見られ、自閉スペクトラム症傾向と重症度の関連性も明らかになった。現在解析結果をもとに、論文執筆中である。また、本研究に関連した神経性やせ症を対象とした研究成果を、二報(共著論文)を国際学術誌に発表した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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BJPsych Open
巻: 7 ページ: e130
10.1192/bjo.2021.963
Psychiatry Research: Neuroimaging
巻: 318 ページ: 111393~111393
10.1016/j.pscychresns.2021.111393