研究課題/領域番号 |
18J15022
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊田 洋介 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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キーワード | transrepression作用選択的 / PPARγアンタゴニスト / NF-κB |
研究実績の概要 |
本年度はまず、化合物のtransrepression作用の評価系の構築を行った。マウスマクロファージ細胞RAW264を用いることでNF-κBに対するPeroxisome Proliferator-Activated Receptor γ(PPARγ)依存的なtransrepression作用活性の評価を行うことが可能となった。その後、アゴニスト作用、transrepression作用の両作用を持つPPARγフルアゴニストであるロシグリタゾンとピオグリタゾンをリード化合物として、構造変化に伴うアゴニスト作用の変化とtransrepression作用の変化を指標として構造展開を重ねた。その結果、ロシグリタゾン誘導体ではtransrepression作用選択性の向上した化合物群の創製に成功した。また、ピオグリタゾン誘導体ではtransrepression作用活性が弱いものの、transrepression作用を示すアンタゴストの創製に成功した。これらの化合物の示すtransrepression活性について、PPARγ依存的であることを確認した。また、化合物がPPARγに結合することを、TR-FRET(Time-Resolved Fluorescence Resonance Energy Transfer)により確認した。よって得られた化合物は、PPARγ依存的にtransrepression作用を示すことが示唆された。以上の結果より、PPARγにおいては初となる、transrepression作用選択的リガンドの創製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず第一の目標としていたtransrepression作用選択的なPPARγリガンド、すなわちtransrepression作用を示すPPARγアンタゴニストの創製に成功したことから、おおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
創製したリガンド群についてtransrepression作用の増強および選択性の向上を目指し、更なる構造展開を行う。またそれと並行して、PPARγのtransrepression作用選択的リガンド結合時の活性コンフォメーションを同定することを目指す。現在はX線結晶構造解析を用いる方法を第一候補とし、検討を進めている。
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